エリザベス・キューブラー・ロス「ダギーへの手紙」585冊目

子ども向けの大判の絵本だった。

死生観を末期がんの子どもに聞かせるという非常に難易度の高いミッションを果たそうとした偉大なる本。人の一生は春夏秋冬だ、やるべきことが全部終わったらさなぎを脱いだ蝶みたいに飛んで行って、先に飛んで行った人たちと一緒になる、といいます。

死後の世界のことだけは、まだ死んだことがないからわからない。だからこの本に書かれたことが「科学的に正しい」のかどうかをはかれる人は生きてる人間の中にはいないんだけど、運命を受け入れる助けになるだろうなと、温かい気持ちになれる絵本でした。 

 

エリザベス・キューブラー・ロス「ライフ・レッスン」584冊目

キューブラー・ロスの本がとてもよかったので、さっそく続けて読んでみました。

これもいい本。よりよく死ぬということはよく生きた後に起こる結果だから、人はどう死ぬのかをある程度わかって安心したら、じゃあさっそく今日どう生きるか?ということを考え始めないといけません。

ここ数年、滅入ることが続いて瞑想とか内観とかいろんなことに挑戦してきました。自分を否定して否定して、自分でないものを目指しながら、中から自分を動かすエネルギーにうまく対処できずに弱ってしまっていて、それが行くところまで行ってしまった気がします。手放すこと、明け渡すことの大切さ。

旅に出ると、バス停にたどり着いても2時間待つしかない、といった状況に遭遇します。そういう何もしない、何もできない時間が自分をやっと本当に休ませてくれる。私はフルタイムの仕事を辞めて、これからの人生は自分を満たしてやることに専念しようと思っています。今までよりヒマで今までほどお金を稼いでないけど、それがいったいなんだっていうんでしょう? 

 

武田俊太郎「量子コンピュータが本当にわかる!」583冊目

最近少しずつ勉強している量子コンピュータの本。現在開発されている量子コンピュータのハードウェアには、汎用型の「量子ゲート方式」と、実用化されているけど”巡回セールスマン問題”を解くだけの単一マシンである「量子アニーリング方式」があります。この本では「そもそも量子コンピュータとは」にプラスして、量子ゲート方式のハードウェアの4種類について解説しています。

その4方式とは、量子アニーリングマシンでも採用している超電導を使ったもの、イオン方式、半導体方式、光方式。著者が開発を続けているのは最後の光方式だそうです。原子レベルのものを扱うわけなので、厳密な環境管理が必要だし、そこでさらに厳密な計算を行いエラーを減らしていくというのは、現在の人知を超えるほどの作業が必要です。心が折れそうになることもあるだろうなぁ。こういう全く今存在しないものの研究開発って、人材と資金が豊富なところでしかなかなか成功しないと思うけど、現在のコンピュータとは違って少しでも日本の技術が一端を担えるといいですね。

 

E・キューブラー・ロス「「死ぬ瞬間」と死後の生」582冊目

タイトルがものものしい感じもします。人間はみんな根源的に死を恐れる部分があると思いますが、年を取って、「とりあえずみんな、死を恐れるひまがあったらしっかり生きるべき。死は生が終わる瞬間のことで、しかも、気にしたら変わるというもんでもない」と悟ってからは、科学的探究心をもって、死そのものや、死に関する自分の感情を見つめなおすことに非常に興味がでてきました。

「看取り」の講座を受けたときや、カンヌ映画祭で最高賞を受賞した「オール・ザット・ジャズ」という映画を見たときにこの著者の話が出てきていて、ずっと気になっていたのですが、このたび初めて借りてみました。死について自分で生まれてこのかた自分なりに考え続けてきたことが、書いてある。そう感じています。

超常現象とか不思議とかカルトとか、誰かが名付けたことには興味はないけど、自分の中にある感情や感じたことが何なのか知りたい気持ちはあります。霊感が強いほうだとか言われると、幽霊も見えないし言葉が聞こえるわけでもないのに?と思うけど、じゃあ自分が感じたものは何なんだろう?…ちなみに、この本では死期がとても近い人たちのそういう感じのことしか書いてないので、私の感じについて解き明かしてくれるわけじゃないんだけど、まだ全部は解明されてないだけで、そうかやっぱり何かあるんだ、と、救われた気がしました。

自分の中の「黒いウサギ」を発見して、さらけ出さない限り、怒りや憎しみにさいなまれ続ける。そうしないと、自分の中にいるヒットラーを退治することができない。という話がとても印象的です。自分が怒るとき、怒りの対象は本当は相手にはない。…そこまでは気づいていたんだけど、それでも私にはまだ、怒りを抑えることはできていません。

もう少し確信をもって、科学的に、死に向き合えるようになって、そういった理解をもっと広げていきたい。そう思っています。

 

カーヤ・ノーデンゲン「『人間とは何か』はすべて脳が教えてくれる」581冊目

割と難しい本だった。タイトルを見て、「人間とは」というテーマで一冊が語られると思ったらそうではなかった。脳のさまざまな部分がそれぞれどういう人間の活動をつかさどっているかを章ごとに説明した、比較的読みやすい学術書という感じ。

脳のここはこういうことをする、だからそこを損傷した人はこうなる。といった話。

すごく脳に興味があったわけではなくて、ちょっと刺激的で面白い読み物を求めてただけだったので、取り組みが甘かったですね、私。

 

阿部修平「暴落を買え!年収300万円から始める資本家入門」580冊目

タイトルはなんだかセンセーショナルな投機を勧めるように見えますが、実に穏当な貯蓄とバフェット式投資を勧める本でした。

バフェット式投資とは。私が理解しているわずかな部分をいえば、「しっかりしていて将来性のある会社の株を安いときに買え」。そういう株が”暴落”するのは世界景気が一気に後退するときとか、企業に一気に株価が下落するような事件が起こったときくらいじゃないかと思いますが、今がその「世界景気が一気に後退してるとき」というのは事実です。ただそういうときって株価が、会社自体の状態に関わらず投資家の精神状態?によって乱高下するので、企業研究というより心理戦になってくるんじゃないかな。

心理戦を勝ち抜くのに何が必要なのか。投資家の心理を知ること。投資家には機関投資家のほかにあまり企業研究をしないでグラフだけ見て売り買いする気まぐれで神経質な個人投資家層もあるみたい。いい会社に投資したい人にとって、彼らの心理まで読もうとすることって、いったい何の意味があるのか…。でも結局財布の口を開かせるのって、TVコマーシャルの印象だったりするってことですよね。自分なりの勝ち筋を見つけていくのってなかなか大変…。 

暴落を買え!~年収300万円から始める資本家入門~

暴落を買え!~年収300万円から始める資本家入門~

  • 作者:阿部 修平
  • 発売日: 2017/05/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

高橋桐矢「占い師入門」579冊目

会社を辞めたがってる友達が「占い師になりたい」と言ってたのを思い出して、会ったときに上げようと思って「ご自由にお取りください」に置いてあった本をもらってきました。が、読んでみたら予想外に面白かった!そして、すっごくまともな本でした。この本が出た当時は著者いわく「無名の占い師」だったそうですが、占い師の実情を、みょうにスキャンダラスにあおることなく、誠実に書いたほんとに良い本なんですよ。高校生くらいの子のための職業指南書として授業で使っても良さそうなくらい。

基本をきちんと勉強すること、その上で「100%は当たらないという認識をちゃんと持つこと」。タブー(たとえば病気や死期にかかわることは占わない)を厳守すること、などなど。この占い師さんになら自分の運命を相談したいなと思えてしまいます。そういう誠意の積み重ねが大事ってことだなと、身をもって示してくれた感じです。これは何の仕事でも同じかもしれませんが…。

占い師、いいなぁ。。。。いかん、やりかけの通信教育が2つもあるのでそっちが先だ!

占い師入門

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