前作(ヤングケアラーを扱った「救われてんじゃねえよ」)に続いて、痛くて重くて苦しい内容でした。タイトルとは裏腹、というか、この本のなかの当事者たちがおだやかさを夢見てつけた共助グループの名前だからこそ、痛い実態とそれがかけはなれているという事情があります。
宗教二世のことは知ってたけど、活動家二世というカテゴリーもあるんだな、ということを初めて知りました。宗教二世がいれば当然活動家の二世もいるわけで、自分の想像力の範囲の狭さがちょっとはずかしい。”共政党”のモデルとなった、主張がぜんぶ正しくて(ときに正しすぎて)、でもかたよっていて、なんとなく理想ばかり追っている感じのする政党には、実際は声高に何を言うこともなく、地道に長年困っている人をサポートする活動をボランティアで続けている人もたくさんいることを知ってたけど、逆に負の面をここまで見せつけられたのは初めてです。与党のほうが選挙の裏側を追ったドキュメンタリーとかで負の面を追いがちですもんね。知らなかったこと、見えていなかったことを知ることができるのは、いいことだ。
ほんとに、必要だと思う、ほくほくおいも党。なんなら与党活動家(って言わないかもしれない、「政治家」でくくれるのかもしれない)の二世のための共助団体もあったほうがいいのかもしれない。”勝ち組”に巻き込まれることは常に幸せとは限らないし。
不安や痛みって避けて生きられないけど、人によって同じ出来事から得るダメージって全然違うけど、なんとかやさしくゆるめながら、みんな少しでも元気にやっていけるといいと思うんだ。元気でしあわせなときに一番、いいことを思いつくものだしね。






