2007-09-01から1ヶ月間の記事一覧

宮原諄二「『白い光』のイノベーション」89

人類はまず炎によって暖房や食料に火を通すことを知るとともに照明を得たが、昼間の太陽光の下で見た色と炎の黄色い光の下で見た色は同じではない。人類は光についての発見を重ね、白い光を求めてきた。その白い光を得るために人類が積み重ねてきたイノベー…

林真理子「ミルキー」88

はい、次は女性作家です。帯には『美しく、いやらしく- 恋とxxxxのためなら女はどこまでもずるくなる』とあります。ほんとにパパったら濫読、、(注:実父) 予想通りの内容。ファッション雑誌に連載されたものかと思ったら、単行本で2004年に発売されたもの…

山本一力「いっぽん桜」87

とうとう時代物に手を付けてしまいました。 この人の作品がイイということは知ってましたが。 なんていうか・・・クリステンセンは読んでも本田宗一郎の本は読んだことがない、というようなもので、心温まる翻訳ものの小説は読んだことがあるが時代物は読ん…

岡嶋二人「99%の誘拐」86

設定が古いなぁと思ったら、1988年の作品でした。 決して古臭くはないけど、インターネットというものが出てこない代わりにパソ通が出てきたり、パソコンと「カプラ」持って公衆電話で接続したりするのが、マニアっぽくていい感じです。 岡嶋二人というのは、…

逢坂剛「百舌の叫ぶ夜」85

ハード風ミステリーです。「翳りゆく夏」が名作だったんで、比較するとアラが目立っちゃうなぁ。 最後の場面で、疑わしい人たちがなぜか件の場所にバラバラと集結して、それぞれの断片を組み合わせてストーリーを1から全部語る・・・ってのは、作者がやるべ…

瀬戸内晴美「かの子撩乱」84

はー、面白かった。 一世を風靡した歌人・小説家であり、超流行漫画家だった岡本一平の妻であり、あの爆発する芸術の岡本太郎の母である、岡本かの子の生涯を描写した・・・これは伝記と呼ぶものなのでしょうか。 最初は、なにしろ大正から昭和の歌人ですか…

赤井三尋「翳りゆく夏」83

さっそくですが、父の蔵書シリーズ。重複してるあたりから。(笑) 第49回江戸川乱歩賞受賞作とあるので、期待して読みましたが、裏切られませんでしたね。 結末や犯人は、実は2時間ドラマとかにありがちな内容だけど、なにより文章がいい。じっくりと人間が…

エドガー・H・シャイン「DECの興亡」82

副題は「IT先端企業の栄光と挫折」。 最初に書いておくと、出版社は「亀田ブックセンター」というところで、Amazonでは2007年9月9日現在この翻訳書は扱ってません。(原書は買える。) でも、元DEC社員、DECラブな人たち、DECの成功または崩壊に興味のある人…