2008-09-01から1ヶ月間の記事一覧

逢坂剛「よみがえる百舌」134

面白かった。これは「百舌の叫ぶ夜」の続編なのですが、本編より評価高くなってますね、私。 ハードボイルドだけど、主人公が気骨のある女性なのがいいのかな。白髪交じりの年上の男性との恋も、ほほえましい。登場人物が生きてるし、展開がスリリングでどん…

村田喜代子「八つの小鍋」133

村田喜代子の小説はつかみどころがなくて、たぶん作者も意図してるんだろうけど、ボケ老人の話を聞くともなく聞いてるような感じだ。「鍋の中」以来ずっと、現実と創造の境目をわからなくすることに血道をあげてる。と同時に、「熱愛」では、突然消えてしま…

ぱーぷる「あしたの虹」132

いやーびっくりした。 私も好きなあの大作家僧が、こんなものを書いていたとは!私(←オバサン)としてもケータイ小説デビューです。 昨日の日経夕刊ではじめて知って、さきほど一気にPCで180ページ読み切りました。重さとしては「サザエさん一冊」程度でし…

向田邦子「思い出トランプ」131

向田邦子は私にとっては、昔は「寺内貫太郎一家」、今は「向田邦子の手料理」で、この人の本を読んだことは実はなかった。お弁当の本を買ったら、曲げわっぱに玄米飯を詰める人たちがみんな「向田邦子の手料理」をお手本にしてるというのでその本を買い、買…