2012-01-01から1年間の記事一覧

NHK_PR1号「中の人などいない-@NHK広報のツイートはなぜユルい?」285冊目

239ページ、1200円の本です。 私もツイッターでNHKPRさんをずっとフォローしてて、ユルく面白いんだけど、なんでいつも理由も言わずに「中の人はいないんです!」と言い張るのかが、この本を読んでやっとわかりました。 1200円かけさせないで、140文字で説明…

春日武彦「自己愛な人たち」284冊目

自分大好きそうな人とちょっとばかり、トラぶってるので参考のため読んでみました。 でもこの本は個人的にはあまりお勧めしません。面白いかもしれないけど、私は役に立つ本が欲しかったので。 精神科医が書いた本ですが、考えが偏っているような印象があり…

チョ・ヒチョル「1時間でハングルが読めるようになる本」283冊目

ハングル勉強してるけど、すぐ混乱しちゃって覚えられないんだよ~と愚痴ってたら、この本がいいよ!と知人が貸してくれました。 この本すごいです!ほんとに読めるようになりました、ただし1週間くらいちびちび読んだし、いまでもスラスラ読めるわけじゃな…

「千住博の美術の授業 絵を描く悦び」282冊目

たまたま軽井沢の「千住博美術館」に行く予定があって、人に薦められたので読んでみました。 もともと私も日本画の岩絵具の風合いを愛する人間だし、「日曜美術館」で「ウォーターフォール」を見てから一度本物を見たいと思ってました。 実を言うと、本物の…

鹿島田真希「冥土めぐり」281冊目

芥川賞受賞ってことで・・・(以下略) 直木賞受賞の辻村深月を読んだときも思ったけど、読後感がしっとりとしていて、むかしの「フォークミュージック」みたいに人肌のぬくもりが残ります。描いている人々の心のなかはみんなどろどろで、疑ったり思い込んだ…

松倉秀実「黒船特許の正体」280冊目

副題は「Apple、Amazon、Googleの知財戦略を読み解く」。 この本は電子書籍と紙の同時発行。もともとは、impressの電子“雑誌”である「OnDeck」に連載された記事を、EPUB3とプリント・オンデマンド(注文に応じて即座に印刷・製本)の形で発刊したものです。…

辻村深月「鍵のない夢を見る」279冊目

直木賞受賞ってことで、「オール読物」買うより転売しやすいくらいの理由で単行本を買ってみました。 感想:面白い。とても達者な作家さんです。向田邦子ほど暗くないけど、人間の心のどろっとしたところをとても良くすくい上げていると感じました。 立場も…

山本雅基「山谷でホスピスやってます。」278冊目

10年ほど前に自力でゼロから山谷にホスピスを作って、その後ずっと運営してきている人が書いた本。 山田洋次監督、吉永小百合と笑福亭鶴瓶主演の「おとうと」という映画で、おとうとの終の棲家としたホスピスは、ここがモデルになってるそうです。 山谷とい…

総合ケアセンターサンビレッジ「「尊厳を支えるケア」をめざして」277冊目

2006年発行。 岐阜で30年以上老人介護施設を運営してきている会社による、さまざま事例とその考察をまとめたケースブック。寝たきりで体中に管をつながれた状態でひたすら延命するのが当たり前だった時代に、オーストラリアでの研修で、亡くなる直前まで残存…

米沢慧「『幸せに死ぬ』ということ」276冊目

“その手の本”2冊目。1998年発行。 この本の著者は医療や介護の従事者ではなく、ジャーナリストです。そのため、社会現象としてホスピスの出現とかターミナルケアをとらえて、分析しようとしているようです。 医療における自己決定ということが、宗教上の理由…

村上國男「ターミナルケア・ガイド」275冊目

発行は2003年。最近興味のあるターミナルケアに関する本を何冊か取り寄せたうちの1冊めです。 著者はホスピスでの仕事の長い、熟練の医師。苦痛緩和の技術にも長けていますが、精神的な不安感をのぞく心のケアにもずっと取り組んできています。 この本はもと…

宮永博史「幸運と不運には法則がある」274冊目

宮永先生の最新書籍です。 あまりに次々に出るので何冊目かわからなくなりましたが、今回も新ネタたっぷり、手抜きなく読む人にやさしい良い本です。 細かいエピソードは本を読んでいただければわかるので省きます。一貫して、イノベーションを起こさなけれ…

ジョン・キム「媚びない人生」273冊目

Twitterでこの著者をフォローしていたら、この本の宣伝が次から次へと流れてきて、まぁ読んでみるかなという気になりました。 この本は、慶應での著者のゼミで、卒業していく学生たちに向けて行った講義の内容をもとに書かれたものだそうです。“空気”に流さ…

村上春樹「1Q84」本の272冊目

Book1(2009年発売)からBook3(2010年発売)の3分冊。1冊500~600ページ×3の大作です。Book1の発売からもう3年もたつんですね。図書館で借りようと思ってちょくちょく予約状況を見てたのですが、先週初めて書架に置かれているのを見てすぐに借りました。…

新藤兼人「ひとり歩きの朝」本の271冊目

人間たちの生きざまを立体的に構築するのに長けた名監督の、ひとり語り。3ページずつのごく短いエッセイ集での新藤監督の“身の置きどころ”が映画のようにはつかめなくて、ちょっともどかしい本でした。映画「三文役者」にちょこちょこ監督自身が出演している…

新藤兼人「三文役者の死 ― 正伝殿山泰司」本の270冊目

1991年発行。 追悼・新藤兼人、ということでこの大監督の著書を何冊か買ってみました。 古本が1円とか100円とかで買えるところが哀しい。死亡記事を見た人に映画は見返してもらえても、著書まで思いだしてもらえないのが、映画監督って商売なのかも。 さてこ…

田中正道「ボイス-ソーシャルの力で会社を変える」269冊目

ボイス=voice、声ですが、この本ではユーザーボイスつまり「お客様の意見」のこと。 キヤノン、ソニー、マイクロソフトを経て独立した著者が現在手掛けているのは、企業が顧客から寄せられた意見を最大限に自社ビジネスに生かすためのコンサルティングだそ…

中村登監督「古都」346

1963年作品。 この頃の作品が続きます。63年だけどこの映画はきれいなカラー。地味な着物の色合いもよく出ていますが、主人公の二人の顔色の白さと黒さも際立って、カラーであることが効果的。 主人公は岩下志麻の一人二役で、一人は呉服問屋のお嬢様。実は…

小田原きよし「ヒトのチカラ。」345

これはいい本だ。 本として、構成とか文章の完成度とかの問題ではなくて(それも良いのですが)、コンテンツの問題です。読む価値のある内容をもった本です。 災害ボランティアって何?という漠然とした疑問を、初めてボランティアに行って長く滞在し、少し…

私立探偵 濱マイク 12 利重剛監督「ビターズエンド」337

SIONが、マイクの少年院仲間として登場。血も涙もない殺人者として恐れられている彼は、銃の取引で金を持ち逃げした少年を追っています。少年の恋人に暴力をふるって居場所を吐かせて、銃を片手に少年を倉庫に追い詰めたら・・・。 「仲間を命がけで助ける」…

私立探偵 濱マイク 11 Alex Cox監督「女と男、男と女」336

Alex Cox監督の映画って実は見たことがないので、比較できないのですが、撃ちまくりの銃撃戦が横浜で繰り広げられるというリアリティのなさが魅力?でしょうか。 ギャングがカラカラカラカラと高笑いしながらひたすら撃ちまくるのが不思議なおもしろさです。…

「色を奏で いのちを紡ぐ 染織家 志村ふくみ・洋子の世界」334

2011年作品。 色って何だろう? それは光がものに当たって反射し、目を通じて脳で感知された反応です。 つまり「色」というものがあるわけではありません。 多分人間一人ひとりが感知している、あるひとつのものの色は、みんな少しずつ違う。 違う生き物が感…

私立探偵 濱マイク 10 竹内スグル監督「一分700円」330

かつてマイクが世話になった牧師が人探しを依頼してくる。ある人間的な感情をもてない少年の行く末を案じてのことだった。彼は殺し屋になっていた。殺そうとする相手とロシアンルーレットをやって、まだ負けたことがない。スピード写真のブースで、人を殺す…

私立探偵 濱マイク 9 中島哲也監督「MISTER NIPPON~21世紀の男」328

これおもしろい! この回のこともよく覚えてるけど、あらためて見直して、作りこみの素晴らしさに感動さえおぼえます。この監督、「告白」とか「嫌われ松子の一生」とか、この作品(2002年)のあと最近になって大活躍してますが、そりゃ当然だ。 ファッション…

佐藤武監督「スラバヤ殿下」326

1955年作品。とっても楽しい娯楽映画です。 なぜか手塚治虫のアニメを思い出しました。 原作は「君の名は」で有名な菊田一夫。 スラバヤというのはジャワ島にあるインドネシア第二の都市だそうで、同名のインドネシア料理店がいくつも検索でヒットしたりしま…

NHKスペシャル取材班「日本海軍400時間の証言」325

重ったい本を読んでしまいました。 2009年8月9~11日に「NHKスペシャル」で同名の番組を3回シリーズで放送しました。副題は「開戦 海軍あって国家なし」「特攻 やましき沈黙」「戦犯裁判 それぞれの戦後」。この本は、シリーズ制作に携わったNHKのスタッフが…

岡田斗司夫+福井健策「なんでコンテンツにカネを払うのさ?」323

これも、twitterでいまフォローしている福井健策氏の新著。というか"オタキング"岡田斗司夫氏との対談です。 二人ともかなーり異端な意見の持ち主で、突っ込みどころも多いが思い切りのいい持論を気持ちよく展開してくれます。 副題が「デジタル時代のぼくら…

フランク・カペラ監督「ヤクザvsマフィア」322

1993年作品。 原題は「American Yakuza」…このままでも十分わかりやすいし、実際ヤクザ対FBIが闘いのメインの映画なのでこの邦題はおかしいのですが。 ロードオブザリングのファンには、若きヴィゴ・モーテンセンが主役を演じた映画として知られているでしょ…