2014-07-01から1ヶ月間の記事一覧

G.ガルシア・マルケス「百年の孤独」308冊目

二段組み300ページの長編ですが、2日で読了。 タイトルから想像した“禅の世界”的な静けさのない、うるさいくらい賑やかな小説で、一族の男たち女たちが欲張ったり攻撃したり意気消沈したり、煩悩の限りを尽くすのが面白くて、ずんずん読めます。 初心者とし…

エルヴェ・ギベール「楽園」307冊目

タイトル借り。 著者のことは知らなかったんだけど、「ぼくの命を救ってくれなかった友へ」という本を書いてエイズを告白し、90年代に話題になった人なんですね。この本で描かれている美しく退廃的な生と死の裏に、そういうことがあったのか、と腑に落ちる…

吉田修一「東京湾景」306冊目

小説を読むということは、特に意味もなくスマホのゲームをやり続けるのと同じくらい、自分にとっては“やすやすとできて楽しいから、ついつい溺れてしまうこと”のひとつです。だから小説ばかり読まないように気をつけていた時期もありました。 最近は中毒のよ…

G.ガルシア=マルケス「予告された殺人の記録」305冊目

南米で撮影された、素晴らしい映画を見ているようでした。 小説はとっても短くて、文庫本143ページなんだけど、情景が浮かぶ作りになってるのです。立ち位置やカメラの視点まで設定して書いたんじゃないかと思うくらい、この小説は映画なのです。 町の広場と…

デカルト「方法序説」304冊目

なんで今この本を読むかって? いちおう入会してるけど全然行ってない、とある勉強会の課題図書になったから。 読み込んで要約して発表する気はないけど、いつも課題図書は読んでる。 感想:おもしろかった。笑えた。 デカルト氏はたぶん、この時代のフラン…

吉田修一「初恋温泉」303冊目

芥川賞受賞作の「パークライフ」が好きで、「悪人」も泣けたし「さよなら渓谷」も「横道世之介」もよかった。図書館に寄ったので、思いついてこの作家の本を2冊借りてきたわけですが。 この本は、良くも悪くもないという印象です。 離婚しかかってる夫婦や、…