2014-08-01から1ヶ月間の記事一覧
友達に勧められて読んだ。不思議な感触だな。耽美的、退廃的なようで、どこか健全で図太く生命力がまっすぐとしている。言葉は美しくなくもないんだけど、声に出して読んだときの音がきれいでない。口ずさんで鈴のようにコロコロと流れる文章ではない。クラ…
思ったより後味の悪い作品でした。仕返しのしかたが残虐。一見白人に見えるほど白人の血が濃い(8分の7)人のアイデンティティが、わずか8分の1だけを占める黒人であるということが不思議に思える。 リズミカルに手当たり次第に白人の女を抱くこんな生活…
先日「楽園」という本を読んだ、その同じ作家の作品。 HIV感染が発覚する少し前から、エイズ発症、徐々に数値が悪化していく中で書かれた自伝的手記。フィクション化されているのは人名だけと言ってもよさそうです。 当時20カ国語以上に翻訳されたけれど、今…
この人の本はだいぶ前に「殺人者の健康法」「午後四時の男」「畏れおののいて」と読んで、私自身も畏れおののいたものですが、久々に読書を再開するにあたって、この人のその後の作品を読まねば!と探してみたらやっぱりありました。そしてやっぱり美醜がせ…
なんだろう、ひとつも面白いと思えなかった。ストーリー展開があまりなく、一貫して「ミッション」氏の心の中の物語が進行します。露悪的?な脚注が延々と続きます。ブレードランナーは原作も映画みたいに賑やかでストーリー進行がしっかりしたものだったん…
これも、うるさいというか、忙しく人が行き交い大騒ぎする小説でしたが、やはりテーマはどこまでも深い。純真無垢な少女の気まぐれな意地悪や霊感の強さ。それが「悪霊の仕業」なのか否か?悪霊を祓うよう命じられてやってきた30代の司書が、彼女の奔放な美…
The Who昔から好きなんで読んでみた。ギタリストというかバンドの屋台骨であるピート・タウンゼンドの散文集。書かれたのは、The Who甲斐さん語の1985年。解散してからそんなにたつんだな。 ごつごつして読みにくいと最初は思ったけど、何の枠にもとらわれな…
やさしい小説でした。しかも、ほぼ実話らしい。かんたんに言うと、アメリカ南部で頑固に家族を守って生きてきた老人が、愛妻に先立たれてから自分が亡くなるまで、徐々に弱っていく彼をどこからともなく現れた不思議な白い犬が支える、という小説。 アメリカ…