2020-12-01から1ヶ月間の記事一覧

明司雅宏「希望の法務」618冊目

最近また法務の仕事を始めたので、オンラインセミナーを受講したらこの本が紹介されたので、さっそく読んでみました。 めちゃくちゃ地味な装丁。最近ここまでシンプルなのは珍しいくらい。単行本なのに岩波文庫みたいだ。奇をてらったり見た目で勝負しようと…

パティ・スミス「ジャスト・キッズ」617冊目

私は芸術家のドキュメンタリー映画を見るのがすごく好きで、元々よく知らなかった人でも、見ているうちにその人たちの作品の美しさや、それらを生み出すために生きてきた葛藤に泣けてくることが多い。(NHKの「ドキュメント72時間」で普通の誰でもない人たち…

鈴木克明・有紀「不器用なカレー食堂」616冊目

東京都世田谷区で「砂の岬」というインド料理レストランをやっている夫婦の、これまでの道のりをそれぞれの言葉で著した本。友人にこのレストランに誘われたので、行く前に読んでみました。 この本を書いたのは今から5年前、レストランはまだ新しく、それ以…

ディーリア・オーエンズ「ザリガニの鳴くところ」615冊目

ミステリーであり、ひとりの女性の壮大なドラマであり、湿地の物語でもあります。 全体的にはファンタジーだと思ったほうが良さそう。親や兄姉に次々に去られて、学校にも行かずひとりだけで自活しながら美しく成長し、学者たちを驚愕させる自然誌のベストセ…

広尾克子「カニという道楽」614冊目

著者はカニを食べに毎年産地へ旅行するほどのカニ好きだけど、私もカニ好きでは負ける気しません。一緒にカニツーリズム行ってくれる友達がいないので、たまに食べるカニをすみずみまで味わってるだけで…。でも、「おわりに」の最後に著者が「カニも喜んでい…

柳美里「JR上野駅公園口」613冊目

外国で翻訳文学賞をとったと聞いて、さっそく読んでみたら、この人は創作家である前に社会活動家だ、と思いました。実際のところ上野のホームレスの人たちは、ホームレスでない人たちと同じように幸せになろうとして生きてきたんだけど、ホームレスになった…