2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

八雲法律事務所・編「インターネット権利侵害の調査マニュアル」595冊目

すごく面白い、ワクワクする本でした。(なんかストレートでない読み方をしてるな、私)こんな学術書みたいな体裁でなく、真っ黒い表紙におどろおどろしいフォントで「インターネットの闇との争いマニュアル」とか名付けて売れば、ネット書店でバカ売れしそ…

遠野遥「破局」594冊目

若い人の小説らしい、特有のその世代の匂いがあるなぁ。その一方で、癖の強い人物をみごとに描けることから、著者自身がヘンな奴で、自伝的に自分の不運を書いてるんだろうか、と思ってしまうのは、それが事実だからというより著者に筆力があるからかも。だ…

高山羽根子「首里の馬」593冊目

文藝春秋を買って読んだだけ。面白かったです。 芥川賞なので端正できれいな起承転結があるのかな、タイトルからすると歴史ものかしら、と思ってたら、現代もので馬も本物だった。個人的には、最初から半分くらいが一番面白かったな。怪しい電話クイズの顧客…

堤洋樹 編著「公共施設のしまいかた まちづくりのための自治体資産戦略」592冊目

諸般の事情で読むことになった本。 これは建築というより都市計画、それも公共施設を中心とした都市づくりについて書かれた本です。それってどんな都市計画よりも、どんな建設プロジェクトよりも大変で、最も大勢のステイクホルダーが関わる困難なプロジェク…

ケン・リュウ「生まれ変わり」591冊目

やっぱり面白かった。いくらでも新しいアイデアが出てくる。この人弁護士でソフトウェアデベロッパーだし、IQすごそうだなぁ。SFって、今発見されたばかりの新しい事実や技術の「その先」とか「もっと先」を好きなだけ想像してふくらませることができるから…

高野秀行「未来国家ブータン」590冊目

すごく面白かった。秘境好きの人はほぼ100%話が面白い…。それは自分と違うものを心底楽しめるからだよね。ブータンには10数年前、先代の国王の頃にツアーで行って、一生心に残る面白い目の覚めるような旅をしてきたのですが、自分で行くのに匹敵するほどの面…

川上弘美「溺レる」589冊目

1990年代っぽい、バブル疲れしてそこから降りたくなった人たちが出てくる作品だなぁ、と、まず思った。地方競輪が舞台の佐藤正午の小説とかさ。 この人の「センセイの鞄」という本を昔、女友達から読めと渡されたことがある。私がその主人公に似てるんですっ…

ケン・リュウ編「折りたたみ北京」588冊目

テッド・チャン(「メッセージ」など)、劉 慈欣(「三体」)、ケン・リュウ(「紙の動物園」「母の記憶に」)と読み進めてきて、超一流の作家でもあるケン・リュウが自ら翻訳して英語版を売り出している新進気鋭の中国語作家のアンソロジーがあるなら、そり…