2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧

飯間浩明「小説の言葉尻をとらえてみた」878冊目

実際、小説を読んでいると、言葉尻というか枝葉末節に当たる部分の表現が気になることがよくあります。日頃から「なんて文章のうまい作家だろう」と思っている人の使う”珍しい”表現は、昔の言葉だったり、聞きなれた言葉の独自の組み合わせだったりして、私…

美濃羽まゆみ「『めんどう』を楽しむ衣食住のレシピノート」877冊目

あまり私が読みそうにない本、と自分でも思う。なんとなく読んでみたくなったのは、フルタイムの仕事を辞めて以来、どんどん油っけが抜けて、華やかな色合いや大きな柄の洋服を着るのが苦痛になってきたからか。(前は滅多に着なくても、あるだけでちょっと…

角田光代「くまちゃん」876冊目

確か「理想的本箱」という番組で紹介されてました。角田光代の本は多分1冊くらいしか読んでないけど、映画化されたものは「紙の月」「八日目の蝉」「愛がなんだ」のどれも印象に残ってて、リスペクトしてる作家です。 その作家がなぜ「くまちゃん」。気にな…

近藤麻理恵&スコット・ソネンシェイン「Joy at Work 片づけでときめく働き方を手に入れる」875冊目

3冊目は職場です。会社員の頃の私の机は常に散らかってました。「ぐちゃぐちゃ」ではなく、B4くらいの作業スペースの周囲を、重ねただけの書類の高い塔が取り囲んでいて、机の下は膝が入るスペースだけを空けた紙袋の海。少ない荷物、何もないデスクに憧れて…

近藤麻理恵「人生がときめく片づけの魔法2」874冊目

「1」を読んだとき、「100%同意するけど、洋服のたたみ方とか引き出しの整理のしかたとか、文字だけじゃわからないなぁ」と思ったら、その辺を図解した本がちゃんと続編として出てました。1を理解した人には、片付けコンサルタントか、いなければこの本が…

シヴォーン・ダウド「ロンドン・アイの謎」873冊目

ロンドン・アイができたり、テムズ川岸が再開発されてオシャレな街になった後はほとんど見てない。「テート・モダン」しか知らない・・・。1992年にロンドンのアールズ・コート近くに滞在してたとき、あの駅のどっちを出れば展示場に出られるのか迷ったのを…

近藤麻理恵「人生がときめく片づけの魔法」872冊目

この本、昔読んだことがあるはずだけど、NHKの「SWITH INTERVIEW」にこんまりさんが出演してるのを見て、改めて読んでみようと思いました。私の部屋は、会社を辞めた3年ほど前に片付けたはずだけど、やはりモノがあふれていて、すっきり片付いた部分は食器棚…

井上拓「SNS別 最新 著作権入門 「これって違法!?」の心配が消える ITリテラシーを高める基礎知識」871冊目

SNS上のコンテンツ著作権について書いた本は、見つけたら片っ端から読んでます。図書館で借りられるものは借り、良さそうだと思ったものは読み終える前に買う。そうやってこの本も、借りた当日に購入しました。 これってどうなんだろう?と疑問に思いながら…

アニー・エルノー「嫉妬/事件」870冊目

「シンプルな情熱」に続いて、先日ノーベル文学賞を受賞したアニー・エルノーを読んでみます。手元にあるのは表題が「嫉妬」だけの2004年版だけど、「事件」も併録されているのでタイトルは後に出版された文庫版に合わせて「嫉妬/事件」とします。 エルノー…

中野善壽「ぜんぶ、すてれば」869冊目

ずいぶん前に予約の列に入って、やっと手元に届いた。寺田倉庫がスゴイというのは聞いてたけど、カンブリア宮殿に出てたっけな、くらいで記憶が薄れかけてました。 最近は、上から目線で人生訓や長年の苦労を語る経営者が目立たなくなって、こんな風に「実際…

アニー・エルノー「シンプルな情熱」868冊目

恋する人間の女性の感覚を研究した論文みたいな小説だった。 脳梗塞の発作を起こした脳科学者が、自分を研究対象にした論文を書くのと同じだ。プロフェッショナルな研究者が、専門領域(この著者はフランス文学の教授資格を持ってる)に該当する事態に自分が…

室橋裕和「ルポ コロナ禍の移民たち」867冊目

「ルポ新大久保」がとても面白かったので、新作もさっそく読んでみます。 こっちは日本で暮らすさまざまな移民がコロナ禍のなかでどんなことに不自由したり、逆に奮起したりしているか、著者が日本各地へ出かけて行って直接体験し、お話をしてまとめています…

カレル・チャペック「マクロプロスの処方箋」866冊目

すっごく面白かった。カレル・チャペックがこんな戯曲を書いてたなんて、驚いてしまう。 彼の「山椒魚戦争」を読んだらファンになってしまい、RURやらダーシェンカやらも読んだしチャペック展にも行った。(※この間20年以上たっている)確かに彼は優れたスト…