2023-05-01から1ヶ月間の記事一覧

末並俊司「マイホーム山谷」943冊目

読んでよかった。ずっとこの本を待ってました。 「きぼうのいえ」が話題に上るようになった頃、ちょうど私の父も認知症で入院してやがて亡くなって、無力感のせいか、私も「ホームヘルパー2級」を取ったのですが、そのときの講師に山谷で働く看護師の方がい…

ガストン・ルルー「オペラ座の怪人」942冊目

オペラ座の怪人特集だ! 最近オペラやバレエを見る機会が多くて、それならミュージカルも見に行ってみよう、ミュージカルといえば劇団四季だ、私はいまだかつて一度も見たことがないので見に行こう、見たいのはオペラ座の怪人かCatsだな、ちょうど大阪に行く…

ニコルソン・ベイカー「フェルマータ」941冊目

やっぱりこの人はおもしろい、この人の書くものはおもしろい。 「VOX」は30年前に英語で読んだ記憶がうっすらあるだけで、何やらすごくイヤらしい小説だった気がしてる(なんでそんなもの読んだんだ)けど、この本を読んでいると、あれも別にイヤらしい小説…

Valiant Japanese Language School「Super Real Japanese」940冊目

日本語教師の端くれとしてひそやかにデビューした私にとって、とても興味深いテーマ。というより、なんかすごく面白そうだな、という読者根性で読んでみました。 実際のところ、とてもまじめな日本語学習書でした。ウケ狙いの突飛なものはありません、少なく…

杉岡幸徳「世界寄食大全」939冊目

タイトルを見てすぐに読みたい!と思ってしましました。私が好きそうな本だよなぁ・・・。 でも少し勇気が必要です。到底、口に入れることを想像できないものがたくさん出てきます。残酷に感じてしまうもの、きもちわるくて無理と思うもの、まずそうでありえ…

うてつあきこ「つながり ゆるりと」938冊目

西新宿で毎週土曜日に食材配布や生活相談を行っている「もやい」の中に、彼らの支援を受けた経験を持つ方々を中心として温かいご飯やコーヒーを供する「サロン・ド・カフェこもれび」の成り立ちについて書かれた本。 今は「もやい」のオフィスは別のところに…

ブレイディみかこ「いまモリッシーを聴くということ」937冊目

モリッシーのスミス時代を1セクション、ソロになってからを2つに分けて、合計3セクションの中で特筆すべき楽曲と、その楽曲の作られた頃のUKの様子を詳細に振り返る本。一人のミュージシャンをテーマに本を一冊書くくらい、多分著者はモリッシーのいわゆ…

地球の歩き方BOOKS「世界のすごい墓」936冊目

このシリーズほんと面白い。 冒頭の”墓マイラー”の方の記事、お墓へのリスペクトも強く感じられ、面白いし惹かれます。この本で紹介されているお墓に割と行ったことのあるところが多いのは、典型的な観光ルートに入りやすいからでしょうね。インドのタージ・…

村上春樹「街とその不確かな壁」935冊目

<ネタバレあります!注意!> 「1Q84」や「騎士団長殺し」みたいな冒険活劇をなんとなく期待してたら、静かな物語でした。ぐいぐい引っ張られて徹夜!ということはなく、淡々と少しずつ、5日かけて読みましたが、しみじみと温かい、なんかいい話でした。…

ブレイディみかこ「女たちのテロル」834冊目

今「テロ」と呼ばれている行動は、昔の日本では「テロル」と呼ばれてた。たしか。このタイトルの「テロル」は彼女たちの活動がテロルと呼ばれていた頃の呼び名なんだけど、「テロ」とするとちょっと過激に見えるので、テロルとすることで少し手に取りやすい…