2024-07-01から1ヶ月間の記事一覧

角田光代「方舟を燃やす」1064冊目

なんともいえず、行き場のない小説だなぁ。コロナ禍、大きな台風、こども食堂、ワクチン。相変わらずの読ませる力で、面白く読み進めていくんだけど、だんだん不穏な気持ちになってくる。著者はワクチンを疑っているけど害悪だと決めつけるわけでもないのか…

ルチル・シャルマ「シャルマの未来予測ーこれから成長する国 沈む国ー」1063冊目

多分テレビのドキュメンタリー番組とかで見たんだろうな。現役の投資専門家による、注目の世界各国に関するとても明晰な観測記録+予測です。570ページもあるし、8年前、コロナ禍以前に書かれた本だし、今のところ各国の個別株を自分で買って回る予定もない…

磯部涼「ルポ川崎」1062冊目

先日なにかのバラエティ番組を見てたら、この本で取り上げてる「BAD HOP」というラップグループの人たちが出ていて、川崎出身のやんちゃたちがラップで初めての東京ドーム公演を行った!そして解散!という話に驚いて、彼らのことをもっと知りたいと思ったの…

村田喜代子「新古事記」1061冊目

とても軽い気持ちで選んだ本だけど、第二次大戦中のニューメキシコ州、物理科学者の夫は家族にも言えない任務を帯びていて、その彼女は日系3世、オッペンハイマー氏やファインマン氏も登場するし。…ドキドキ、不穏な気持ち…。 でも村田喜代子の小説なので、…

レーモン・クノー「文体練習」1060冊目

これも「あの本、読みました?」から。アメリカ文学翻訳者の柴田元幸が推したのが、この本。ひとつのささいな出来事を99もの文体?で書き分けた、フランスの”奇書”の和訳です。これほどの珍妙な原作の和訳と思えないほど自然で面白みの多い文章で、なるほど…

ポール・オースター「闇の中の男」1059冊目

<結末にふれています> これも「あの本、読みました?」から。新刊書ってたくさんありすぎて…。若いころは、好きな2,3人の作家か、たまたま図書館に入荷したばかりの、まだ人気がそれほどない若い作家の作品を読んでました。今は新刊書も買えるし図書館…