2024-12-01から1ヶ月間の記事一覧

松永K三蔵「バリ山行」1078冊目

最近ふしぎな名前の人が多いな…。この方はミドルネームがあるんだろうか。日本でミドルネームをつける人は両親の名字両方だったり、ニックネームだったりいろいろだ。 名前は変わっている印象だけど、小説は久しぶりだなと思うくらい王道の純文学で、きっと…

ハン・ガン「菜食主義者」1077冊目

ノーベル賞受賞ときいて読んでみました。比較的最近読んだノーベル賞受賞作家の作品といえば、アニー・エルノーもアレクシェービチも日記みたいに現実的で、大江健三郎やカズオ・イシグロは寓話的な日常の奥にあるなにかを探し当てさせようとするような作品…

ジェイミー・フィオーレ・ヒギンズ「ゴールドマン・サックスに洗脳された私」1076冊目

アメリカの金融業界ってのはどういう場所なんだろう?私もアメリカのIT業界のはしくれだったことはあって、日本とは違うことがたくさんあることは知らないわけじゃないけど、『アメリカの金融業界の人』あるいは『ゴールドマン・サックスの人』が彼らと私た…

絲山秋子「神と黒蟹県」1075冊目

どうしてこの本を読む気になったのか思い出せない…多分、どこかの書評を見て興味を持ったんだと思うけど。 タイトルも不思議というか、意味はわかるのに読みづらく、文中に出て来る地名やものの名前も同様で、それだけでなんだか、やけにのんびりした異世界…

綿矢りさ「オーラの発表会」1074冊目

面白い。。。そして勢いがある。 これが発売されたのは2021年だけど、同年発表された「ありがとう西武大津店」の成瀬にこの海松子(みるこ と読むらしい)は似てる。まじめでまっすぐで全く融通がきかない。これほど純粋なキャラクターって現実ではなかなか…

芦辺拓「七人の探偵のための事件」1073冊目

図書館で見つけて読みました。年の瀬のひとときに、リラックスして読めそうな一冊。…じっさい楽しんで読めました。リラックスというには忙しい小説なんだけど。なにしろ探偵が7人。小さな村に死体がたくさん。本格ミステリではあるけど、完全にドタバタコメ…

降田天「女王はかえらない」1072冊目

<がんばってぼかしてるつもりですが、結末やストーリーに触れてるので未読の方はご注意ください> 先日「少女マクベス」がすごく面白くて、この作家の「このミス」受賞作品を読まなければ!とさっそく読んでみました。 …イヤミスだった!(笑) 「マクベス…

伊与原新「宙わたる教室」1071冊目

面白かったし、しみじみといい作品だなぁと思いました。定時制高校が舞台で、バラバラな生徒たちが負けるもんかと研究を重ねる、という筋には、感情的になりすぎる大きなリスクもあります。かわいそう、感動した、というだけでなく、シニカルだったり照れた…

降田天「少女マクベス」1070冊目

面白かったー!忙しいけど夜更かし+早起きして、一気に読んでしまいました。 事前知識がほとんどなかったので、オカルトっぽいのかな?とか、イヤミス系かしら、とか、ちょっと心配しながら読み始めましたが、ミステリーとしてまっすぐ王道で、かつ、登場人…

新川帆立「先祖探偵」1069冊目

この人ほんと強力な書き手だなぁ。どれ読んでもすごく面白いし、この本は1冊の中にコミカルさも、ミステリーも、歴史もロマンも女の人生も詰まってる。日本の歴史の負の側面も垣間見えてくる。本としての完成度高い。 「先祖探偵」はつまり、「あなたのご先…

新川帆立「剣持麗子のワンナイト推理」1068冊目

この人の「元彼の遺言状」を読んだ気でいたけど、多分、綾瀬はるか主演のTVドラマを見ただけだった。あれ面白かったんだ、彼女とバイト青年との関係性とか。 この作品でも、女性弁護士 剣持麗子が拾ってきた黒丑という青年の存在感が、イケメンでしっかり者…

厚切りジェイソン「かなり気になる日本語」1067冊目

「お金の増やし方」もだけど、この本も”なるほど””そうだよな”の多い本でした。私は本を読むほうの人間なので、知ってることも多いけど、まっとうで率直な、外から見て気づいたことが書かれていて、この人ほんとまじめだなぁと思いました。 お笑いはそのうち…

鶴長鎮一「Web技術がこれ一冊でしっかりわかる教科書」1066冊目

もうITに関わる仕事をすることはないと思ってたけど、ちょっと関係がでてきそうなので、15年も前に後にしたこの業界のことを今いっしょうけんめい思い出そうとしています。で、まずはこの本。 この業界でまた働こう!という必要がないので、気楽にぱらぱらと…

水見はがね「朝からブルマンの男」1065冊目

Audibleで推してたので聞いてみました。面白かった。 ある喫茶店で、開店とともに入ってきて毎週ブルマン=ブルーマウンテン、どこの店でも一番、とんでもなく高価なコーヒーの銘柄を注文する男がいる。なのに、毎回貴重なブルマンを一口飲んだだけで残す。…

大井優子「世界恐怖旅行」1064冊目

タイトルだけ見て、ひげもじゃの男が麻薬地帯やギャング街をめぐるのかと思ったら、若い女性がバックパックひとつで世界を旅してまわる旅行記でした。とても面白かったです。でもずっとモヤモヤする・・・ 私が一人で海外を旅行するようになったのは中年以降…