2025-07-01から1ヶ月間の記事一覧

結城真一郎「#真相をお話しします」1127冊目

大娯楽短篇集だなぁ。ヒネリの利いた、目の付け所の面白い作品が4篇。 「惨者面談」途中まで思った通りの部分もあったけど、細かくヒネリを入れてくれるので最後まで楽しめました。 「ヤリモク」マッチングアプリで出会った女は実は…そしてこの男の娘は?。…

上田岳弘「ニムロッド」1126冊目

わりと、こういう小説が好きです。どういう小説かというと、取り立てて特徴のない若い主人公、とくに男性が、日々の仕事や人づきあい(わりと狭い)をなんとかやりつつ、仕事中でも人と会っていても、関心がどこか遠くへ飛んで行ってしまう。空想の世界が共…

有栖川有栖「真夜中の探偵」1125冊目

どうも3冊シリーズの2冊目らしい。舞台はディストピアと化した日本。北海道が分離独立したり、反米感情の高まりで英語由来の言葉が漢語に言い換えられたりしてる。主人公は、禁じられた職業となった私立探偵の父・母をもつ空閑純という名の少女。父は警察で…

鈴木結生「ゲーテはすべてを言った」1124冊目

面白かった。読む前に著者インタビューを見てたので若者が書いたと知ってたけど、知らなかったら中年のドイツ文学研究家が書いたと思ったかも。でも知って読んだおかげで、わざとアカデミックで老成した雰囲気を演出してるという認識で、コスプレ的な楽しみ…

小川哲「君が手にするはずだった黄金について」1123冊目

短篇集。「地図と拳」も「君のクイズ」もかなり面白かったけど、「君のクイズ」のほうは、予想していたとおりの流れなのに主人公がオーバーリアクションする感じに少し違和感を感じながら読んだことが心の中に残っていました。頭のいい人の中には、自分以外…

王谷晶「ババヤガの夜」1122冊目

「ダガー賞を日本で初めて受賞」と聞いて、さっそく読んでみました。昨日の朝ニュースを見てさっそく書店に行ってみたら、もう「受賞!」という帯が追加で巻かれていて、グッジョブです。 この人の作品は初めて。最近は「人が死なないミステリー」とか、「心…

Kazu Languages「12か国語マスター 最強の外国語習得法」1121冊目

これもAudible。しかもデジタル音声です。こういう情報収集だけを目的とする読書の場合、いけるんじゃないかな?と思って、最初通常スピードで聴いたら、微妙な抑揚が気になったけど、速度をあげて1.5倍とか1.7倍とかにするとちょうどよく感じました、私の場…

石灘早紀「運び屋として生きる:モロッコ・スペイン領セウタの国家管理課の『密輸』」1120冊目

よくいく書店のいちばんマニアックな選書コーナーにあって、好奇心を抑えきれずに購入。この1月にヨーロッパに旅行した際に、マドリードから南下して船でアフリカ大陸に渡ることも考えて(結局やめた)、モロッコ北部にスペインの飛び地があることに気づいて…

米澤穂信「秋期限定栗きんとん事件」1118‐1119冊目

これもAudible。男性と女性のナレーター2人いれば完全に聴けます。このところ体力が落ちていて、病気の猫とずっと添い寝ばかりしてるので、耳だけでできる読書は楽でいいです。 今回もなかなかハードなアクティビティが行われます。放火という犯罪が重いし、…

米澤穂信「夏期限定トロピカルパフェ事件」1117冊目

これもAudible。小悪魔・小佐内と謎解き名人・小鳩のふたりが、夏休みにカフェ巡りをして絶品スイーツを食べ歩くという、きわめて小市民的な行動が、やがてすべて小佐内のある計画の実践に向かって収束していくというストーリー。 この二人に熱血漢・堂島も…