本)全般・その他

中野信子・ヤマザキマリ「生贄探し」753冊目

ああ、いやな本だ(※書かれている事象がね)。 私はつねづね、今の日本に魔女狩りというものがあったら間違いなく焼かれている、なくてよかったと思ってるんだけど、おそらく、中野信子もヤマザキマリも焼かれるほうだと思う。目立たなく愛される、守られる…

湯浅誠「つながり続けるこども食堂」751冊目

この人の本を読んでみようと思って探したときに、あまりにも多くてすごく迷ったけどまずこの本から。とてもわかりやすく興味深く、こども食堂の趣旨や現状を紹介してくれる良い本でした。 私も勘違いしてた。こういうの興味あるな、どんなところなのかな、と…

阪口ゆうこ「片付けは減らすが9割」735冊目

ぐっと軽い本を読んでみる。私も常にモノ(あるいは、モノの山)に囲まれてるほうの人間で、常にやりたいことがたくさんあったり、ファッションにこだわりがないから安くて良さそうだと思うと、対して愛着もない服をどんどん買ってしまったりする。たまに、…

池澤夏樹・編「わたしのなつかしい一冊」729冊目

次に読む本を自分で選ぶと、同じ作家やジャンルばかりになりがちなので、ときどき、人が勧めるものを試してみます。 推薦者は作家が多いけど、著書を読んだことのない人も多い。ひとつひとつ、思いがこもった推薦文です。読んでみたくなった本はたくさんある…

河野哲「デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場」726冊目

栗城史多さんの訃報、覚えてる。それまでの準備不十分な登山のしかたや、やたらと人にアピールする感じから、もしかしたら、山で死を選ぶ覚悟だったんじゃないかと思った。いったいどんな風に生きて死んだ人なのか、いつかドキュメンタリー番組やノンフィク…

東田直樹「自閉症のうた」724冊目

この人の本を読むと、いつもパッと目が開かれたような気がする。 私が「理解した」と思っていたことは、「自分や誰かが設定した仮説に納得したつもりになること」でしかなく、東田氏がものごとを語るときは「理性と五感でわかるまで探って出た答」をつづって…

サイモン・シン(青木薫・訳)「フェルマーの最終定理」721冊目

あー面白かったー! 本を読んだだけなのに、まるで自分がその世紀の証明にずっと立ち会ってきたみたいに、祝杯を上げたくなっている。ロールプレイングゲームで、アンドリュー・ワイルズと数名の最後まで協力した勇者(数学者)たちと一緒にチームを組んで、…

佐藤正午/東根ユミ/オオキ「書くインタビュー4」718冊目

1~3は2017年に一気に読んだんだけど、その後は連載も読んでいたので、既視感がすごい。連載された何かをまとめて後で読むなんて経験は、大昔の月刊少女マンガ以来じゃないかなぁ。この本に関しては、全部が全部既読というわけでもないので、読んだことが…

ブレイディみかこ「ワイルドサイドをほっつき歩け」716冊目

この人の本は本当に面白い。「地べたをはいずりまわる」とこの人は表現するけど、日本古来の意味で「地に足がついている」から面白いのだ。 ロンドンに住むことに憧れた数十年前、万が一居残ったらこんな人生があったのかもしれないといつも想像するんだけど…

筒井康隆「ジャックポット」715冊目

断筆を解いたあとけっこう書いてたんですね。これは最新刊。これはSFカテゴリーじゃないな。エッセイありフィクションあり、フィクションのほうはボルヘスみたいに自作の小説を「1分にまとめました」っぽく書いている感じ。読む方も楽だし書く方も楽。まどろ…

ミニマリストTakeru「月10万円でより豊かに暮らすミニマリスト整理術」712冊目

会社を辞めてから「月x万円で暮らす」というテーマの本を何冊も読んだけど、これは中でもとてもポジティブでエネルギッシュ、未来に向かって大きな希望を持つ若者の著書です。(老後資金の乏しい人向けの本も多い) シリーズ2作目で1作目を読んでないけど、…

信田さよ子「加害者は、変われるか?」709冊目

加害者の多くが、自分は被害者だと思ってるとある日気付いた。といっても、深刻な家庭内のDVの話じゃなくて、職場のいやがらせの話だけど。(普遍的なことかもしれないけどね) 表題の論点がとことん語られる本かと思ったら、もう少し全般的なわかりやすい読…

ジョン・ガイガー「奇跡の生還へ導く人~極限状況の『サードマン現象』」703冊目

確か高野秀行氏が勧めてたので予約した本。 生死を分ける場面で、姿のない「サードマン」が現れて自分に指示をしてくれたおかげで命拾いをした、などなどの話を集めたものです。合理性の国アメリカっぽくない気がする、あるいみオカルト的、日本でなければア…

奥田知志・茂木健一郎「『助けて』と言える国へ」702冊目

2013年発行。最近見た特集番組で奥田知志が取り上げられていて、もっと知りたいと思って借りて、よく見たら対談集だった。茂木健一郎は、以前はTwitterをフォローしてたこともあったけど、その頃彼はなにかに怒ってることが多くて、読むのに疲れて外してしま…

能町みね子「結婚の奴」700冊目

いやー面白かった。かなり赤裸々に(文筆のプロなのでいろんな脚色もあるのでしょうが)書いてあるものを面白がるなんて失礼かなとも思いましたが、物見遊山なだけじゃなくてすごく興味深くて引き込まれて、あっという間に読み終わりました。 結婚ね…。一回…

高野秀行&角幡唯介「地図のない場所で眠りたい」697冊目

やっぱり面白い。高野秀行の書くものは100%面白い。ときどき腹を抱えて笑える、じわじわと好奇心がたぎってくる、読み終えて充実感と目が開けたような感じがある、など、いろんな意味で面白い。 この本は彼の早稲田大学「探検部」の後輩であり同じくノンフィ…

しいたけ.「しいたけ.の小さな開運BOOK」694冊目

発売と同時に読んでみました。 どうしても、自分が何色かわからなかった…。 オタクで対人関係が苦手なエメラルドか。仕事のときだけはきびしいネイビーか。マイペースでメモ取りな茶色か。運命に翻弄されるけどへこたれない金色か。 基本は茶色かエメラルド…

たつなみ「すこしずるいパズル」693冊目

これ、Twitterで流れてきたのを見て、すごく面白かったので買ってしまいました。むずかしくてヒントなしではほとんど解けないのですが、ヒネリが利いていて、なんか可愛いので挑戦するのが楽しい。 夕方に届いて、夜遅くまで解き続けてしまいました! Twitte…

吉永小百合(取材・構成 立花珠樹)「私が愛した映画たち」691冊目

日本の女優の大本命、吉永小百合がとうとう自分の作品を振り返る本を出してくれました。立花先生、大活躍。 吉永小百合って人は若い頃のチャキチャキした役柄のとおりの、竹を割ったような性格の行動派だな、という印象ですね。いくつになっても若々しく明る…

ロビー・ロバートソン「自伝 ザ・バンドの青春」682冊目

この本をもとにしたドキュメンタリー映画をやっと見たので、本の方も読みたくなってしまった。上下二段で515ページという分厚い本だけど、ロビー・ロバートソンの生い立ちからザ・バンド解散直前の「ラスト・ワルツ」まで、彼と一緒に一生を生きなおすかのよ…

村井章介「世界史のなかの戦国日本」679冊目

高野秀行の読書本で取り上げられてたのを読んでみました。歴史がまるでダメで、大河ドラマとか見ても全然理解できない私にはとても難しい本だったけど、面白かった。蝦夷地や琉球の支配、ヨーロッパからの武器の伝来、倭寇や秀吉の朝鮮出兵といった出来事を…

乾き亭げそ太郎「我が師・志村けん」677冊目

これは、20年にわたって志村けんの付き人兼運転手~弟子として身近に見てきた芸人の書いた回想記。日本じゅうの人たちが、志村けんのことをもっと知りたかったと思っている今、すごく求められていた本だと思います。 ものすごくストイックで、芸のために自分…

高野秀行「移民の宴」675冊目

今度は日本国内にある、各国からの移住者コミュニティを訪ねて、彼らのご飯を見せて(食べさせて)もらうという企画。海外に出ることも戻ることも難しくなっている昨今、これはいい企画だ(書かれたのは10年も前だけど)。 たいがいの海外からの移住者は、自…

高野秀行x清水克行「辺境の怪書、歴史の驚書、ハードボイルド読書合戦」674冊目

高野秀行の辺境書を何冊か読んだ流れで、これも読んでみました。 急にハードル上がったかな。歴史をまるきり全然勉強してこなかった、受験科目からも外した私には、出てくる日本史上の話にまったくついていけません。でもすごく面白い。辺境を目指す人たちは…

「月10万円で豊かに暮らせる町&村 Vol.1と2」672~3冊目

年金が出るまでまだあと10年もある。それまで(それ以降も)なるべく貯金を減らさずに暮らすにはどうすればいいか…。収入を増やすか。でも今はフルタイムでガチガチに働くのはもうしばらく休みたい(あるいはこのままやらずにすませたい)。そうなると生活費…

ジョシュア・フィールズ・ミルバーン+ライアン・ニコデマス「minimalism 30歳からはじめるミニマルライフ」670冊目

荷物を減らして田舎暮らしをしたい、キャンピングカーで生活したい、とつぶやきながらまたこんな本を借りてみます。(ガラクタでいっぱいな部屋の中で読んでる) ハウトゥも少しはあるけど、ほぼ全編が、過剰でストレスフルな生活から不要なものを排除してミ…

沼畑直樹「最小限主義。」666冊目

思い出も愛着も、基本的に「人には何も必要ない」と決めてしまえば、ポイポイ捨てられれう気がしてくる。私は実家を引き払ってきていて、生まれたときからの荷物を全部持ち歩いている。アルバムも絵も文集も、愛読書もCDも。レコードやカセットテープまであ…

坂下千瑞子「がんになった人だけが知っている人生で大切なこと」663冊目

中年になると、友人や知り合いにがん経験者が何人もいます。私なんて、健康診断で再検査になっただけで眠れないくらいなのに、見つかってしまって、入院することになって、手術して…という心労は想像もできないです。何の気なしに、あるいは励ましたり慰めた…

ブレイディみかこ「ぼくはイエローで、ホワイトで、ちょっとブルー」655冊目

ブレイディみかこさんは、テレビや雑誌の記事で何度も見たけど、私と同年代なのだ。私もパンク好きでバンドやってたし1992年にロンドンに半年住んでいたことがあって、「ここの誰かと恋をして結婚して、ずっと住んだらどんな感じだろう」と何度も何度も想像…

高田好胤「心 いかに生きたらいいか」652冊目

図書館の「リサイクル本 ご自由にお持ち帰りください」コーナーにあったのを持って帰って読みました。この本は実家にもあった。母がありがたく読んでた。やたらと般若心経を勉強しようとしてたのは(その後父もだけど)、この人の影響だったということがよく…