萩尾望都「ポーの一族1~3」633~635冊目

「100分de萩尾望都」を見て図書館に予約を入れたんだけど、数十人の列ができていたのですぐに借りられるTSUTAYAで借りました。1冊110円。 大長編ではなく、数回の連載と何度も繰り返してるんですね。エドガーとメリーベルとポーツネル夫妻の”家族”、アランと…

エリック・A・ポズナー/E・グレン・ワイル「ラディカル・マーケット 脱・私有財産の世紀」632冊目

たしかNHKの「欲望の資本主義」に著者が出て、すぐさま予約を入れたんだと思う。社会に関する本の最近の流行はまるで社会主義みたいな「シェア」かと思っていたら、この本は「脱・私有財産」を掲げつつ、ラディカル・マーケットでは何でもオークションで価格…

ケン・リュウ編「月の光 現代中国SFアンソロジー」631冊目

待ちに待ったアンソロジー第2巻、やっと図書館の予約の順番が回ってきました。 小型だけど510ページもあるし、歴史ものやとてつもなく非現実的な宇宙ものもあるので、なかなか読み進みません。だから、予約の順番が近くなってもなかなか回ってこなかったんだ…

早川書房編集部・編「早川書房創立70周年記念コミックアンソロジー★SF編/ミステリ編」630~631冊目

早川書房が創立70周年を記念して、過去の「SFマガジン」と「ミステリマガジン」に掲載された、古今東西の偉大なるまんが家の短編と、このために書き下ろしたものをまとめた作品集。手塚治虫に松本零士に石森章太郎に萩尾望都、吾妻ひでおにとりみき…もう、す…

森博嗣「トーマの心臓」629冊目

先に萩尾望都のまんがを読んで、こっちも読んでみることにしました。森博嗣がノベライズ?したもの。 読み始めてみたら、けっこう小説と違う。トーマのほんとうの死因はなかなか明かされない。ユーリとエーリクが出会うのは墓地ではなくて公園。出かけた先で…

佐藤正午「小説の読み書き」628冊目

佐藤正午の本は全部読んでるし持ってる上に、ときどき読み返す。そんな作家はこの人しかいないのだ。なるべく全部読む作家は他にもいるけど、借りるか、買ってもすぐ売るので手元に残らない。というわけで佐藤正午の本はいつでも読み返せる。 1章毎に1人の…

高野秀行「幻のアフリカ納豆を追え!~そして現れた<サピエンス納豆>~」627冊目

あー面白かった!本当に面白かった。納豆という、どんなにお金がなくてもこれさえ食べていれば相当生き延びられるほど、安くて滋養豊富な食品(世界中どこでもきわめて安価で、材料や完成品が取引されてることもわかった)をネタに、著者はとうとう世界制覇…

萩尾望都「一瞬と永遠と」626冊目

これはエッセイ集。さまざまな雑誌に1980年代から2000年代までに掲載された雑多な、主にマンガや映画の感想をまとめたもの。特に映画に関しては私が見たことがあるもの、最近見たばかりのものも多いので、うんうんなるほどと楽しく読みました。映画の感想を…

萩尾望都「銀の船と青い海」625冊目

これはすばらしく美しいカラーのイラストと詩文をまとめた本。 文章も美しいし形も美しいけど色使いもすごい。まったく定型的じゃなくて。 テーマの中にはちょっと残酷なものもある。彼女の作品の中で死は友達みたいだ。恐れるべきものではなく、美しさや純…

萩尾望都「トーマの心臓」624冊目

少年期のたかだか1年くらいの間だけ愛した少年の、当人がまったく気づいていない事情のために、自分を投げ出すというのは、高僧が通りすがりの飢えた虎にやすやすと自分の身体を投げ与えるのと同じくらい、簡単すぎる。そこまでの”至高の愛”をど真ん中に据え…

萩尾望都「11月のギムナジウム」623冊目

これはSF色のうすい、抒情的なジュブナイル作品集でした。この人はほんとに絵がうまいなぁ。登場人物がなんというか上品で美しくて、それだけで好感をもってしまって、キャラクターに惹きつけられてしまう。乱暴者でも、わがままでも。 物語は人間の根源的な…

萩尾望都「恐るべき子どもたち」622冊目

続いて読んだのがこれ。映画を見たつもりだったけど見てませんでした。漫画は漫画家の理想をそのまま 絵にできるので、現実離れした他人の空似や、キャラクターを完璧に画像化することもできるけど、映画には役者自身や役者どうし、その場のマジックがあるか…

萩尾望都「11人いる!」621冊目

Eテレの「100分de名著」恒例の年末年始特番で「100分de萩尾望都」という番組をやっててたのを見て、読みたくなって借りてきました。 私も小さい頃から、日本の少女として正しく少女マンガを読みふけったものでしたが、萩尾望都作品は(む、むずかしい…わから…

みずほ証券リサーチ&コンサルティング、アイ・コンセプト編「IPO・内部統制の基礎と実務第2版」620冊目

この手の本を読み始めて初めて、福岡など地方に新進企業のための株の市場があることを知ったりしています。経営の学校に通ったのはもう15年前…それ以来すっかり縁遠くなっていました。 上場について書いた本で読者として想定してるのは小企業というより中規…

EY新日本有限責任監査法人 編「IPOをやさしく解説!上場準備ガイドブック第4版」619冊目

新年早々ずいぶん堅い本ですが。このあとしばらく、これ系が続きます。 小さい会社がいつか上場(またはM&A)を目指すとき、バックオフィスでは何をしておかなければならないか?というのを調べています。この本はわかりやすく読みやすく、何度も読み返しなが…

明司雅宏「希望の法務」618冊目

最近また法務の仕事を始めたので、オンラインセミナーを受講したらこの本が紹介されたので、さっそく読んでみました。 めちゃくちゃ地味な装丁。最近ここまでシンプルなのは珍しいくらい。単行本なのに岩波文庫みたいだ。奇をてらったり見た目で勝負しようと…

パティ・スミス「ジャスト・キッズ」617冊目

私は芸術家のドキュメンタリー映画を見るのがすごく好きで、元々よく知らなかった人でも、見ているうちにその人たちの作品の美しさや、それらを生み出すために生きてきた葛藤に泣けてくることが多い。(NHKの「ドキュメント72時間」で普通の誰でもない人たち…

鈴木克明・有紀「不器用なカレー食堂」616冊目

東京都世田谷区で「砂の岬」というインド料理レストランをやっている夫婦の、これまでの道のりをそれぞれの言葉で著した本。友人にこのレストランに誘われたので、行く前に読んでみました。 この本を書いたのは今から5年前、レストランはまだ新しく、それ以…

ディーリア・オーエンズ「ザリガニの鳴くところ」615冊目

ミステリーであり、ひとりの女性の壮大なドラマであり、湿地の物語でもあります。 全体的にはファンタジーだと思ったほうが良さそう。親や兄姉に次々に去られて、学校にも行かずひとりだけで自活しながら美しく成長し、学者たちを驚愕させる自然誌のベストセ…

広尾克子「カニという道楽」614冊目

著者はカニを食べに毎年産地へ旅行するほどのカニ好きだけど、私もカニ好きでは負ける気しません。一緒にカニツーリズム行ってくれる友達がいないので、たまに食べるカニをすみずみまで味わってるだけで…。でも、「おわりに」の最後に著者が「カニも喜んでい…

柳美里「JR上野駅公園口」613冊目

外国で翻訳文学賞をとったと聞いて、さっそく読んでみたら、この人は創作家である前に社会活動家だ、と思いました。実際のところ上野のホームレスの人たちは、ホームレスでない人たちと同じように幸せになろうとして生きてきたんだけど、ホームレスになった…

津野敬子「ビデオで世界を変えよう」612本目

この人すごい!こんなにパワフルでめちゃくちゃ勇敢で行動力のある日本人女性が、こんな活動をニューヨークで長年やってきたなんて。あまりに素晴らしすぎる。 先日Netflixで見た「カメラが捉えたキューバ」というドキュメンタリーがすごく面白かったのです…

崔実「ジニのパズル」611冊目

胸に来た。この子を静かに抱きしめていたい、と思った。抱かれるのが苦手な猫みたいに、ふんわりと膝に載せて。 感受性が強すぎて、すぐ泣いてしまいそうだから、お面のように顔をこわばらせて暮らす。そうしないと、泣きっぱなしではどこにも行けない、何も…

ジョディ・カンター、ミーガン・トゥーイー「その名を暴け」610冊目

原題は「She Said」。この本の本質は誰かの名を暴くことではなくてワインスタインやカバノーの過去の性的暴行を公にして立証することなので、この邦題は不適当で煽情的なんだけど、本はとりあえず手に取ってもらうことに意義があるという意味では、宣伝効果…

アーナルデュル・インドリダソン「厳寒の町」609冊目

この作家の、日本語翻訳の出てる作品、これで読破だ! 陰鬱な風景、暗くて覇気のない登場人物たち、根深い人間関係が根幹にある犯罪を特徴とするこのシリーズ。今回は移民の人種差別問題に焦点が当たります。 2019年夏にアイスランドで現地ツアーに参加した…

アーナルデュル・インドリダソン「湖の男」608冊目

これが4冊目。前の3冊にも増して、さらに読み応えがありました。 想像したこともなかった冷戦時代の北欧。アイスランドについ最近までアメリカ軍が駐留していて、ソ連に対する重要な軍事拠点だったことも知らなかった。東ドイツのライプツィヒに、アイスラン…

町山智浩「町山智浩のシネマトーク 怖い映画」607冊目

この人のこの手の本、すでにたくさん読んでるし、なんとなく既視感がある作品も多いけど、新しいものもありました。町山氏はハリウッドの近くに住んでいるという地の利があって、監督などの製作サイドの人たちに直接インタビュー多数、他では見られない裏情…

高野秀行「謎のアジア納豆」606冊目

面白いに決まっている本を借りて来た。実に面白い。ときどき声を上げて腹の底から笑いながら、ずんずん読み進みました。 だいいち夫婦が犬を連れてタイを旅行するっておかしいでしょう!あちこちのオリジナル納豆とそれを自慢げに見せびらかす人々。普通の人…

木村友祐「海猫ツリーハウス」605冊目

ものすごく可愛いフェルトの子ペンギンの表紙。これがホラーとか全員死ぬミステリーとかだったら怒ります。そうではなかったけど、この表紙の意味はなんだろう。主人公が釣りをしていたときに現れた海鳥の子?それとも、専門学校を中退して田舎で暮らす主人…

アーナルデュル・インドリダソン「声」604冊目

この作家の日本語訳、3冊目。このシリーズは書き続けられてて、すでに日本語訳があと2冊出てるようですね。 これもまた、失意のうちに命を奪われた人の人生の物語でした。読んでる最中も、読み終わったあとも、残念な気持ちでいっぱいになるけど、なんという…