ダン・ブラウン「ダ・ヴィンチ・コード」

誰かが面白いって言ってたので、買ってみた。 なぜかイメージが「薔薇の名前」と重なってしまいます。あれを読んだときはハマりました。オカルトチックで閉塞的な修道院という世界がなんとも恐ろしくて、ゾクゾクしながら読みました。あの本は2段組で字も小さく、上下巻読み終わるのに1~2週間はかかったと思う。 一方、ダ・ヴィンチ・コードは一晩で読み終えました。「薔薇の名前」くらいの読み応えを期待してたので、スカッって感じかな。同じ上下巻でも1段組だし字も大きい。それだけでなく、内容的にも、モチーフはミステリアスなのに文章や構成はまるでシドニィ・シェルダン。3つくらいのストーリーが同時進行し、各章は「振り返って主人公は犯人の顔を見て息を呑んだ」かなんか、気持ちをあおって終わる。いい人が実は悪い人で、悪いと思った人が実はいい人で。暗号の謎自体はそれなりに楽しみながら読んだけど、シオン修道会が何世紀にもわたって守ってきた秘密が2,3日で解けちゃうってのはどうなんでしょう。 ジェットコースター的な小説ははやりなのかな。シドニィ・シェルダンみたいに安っぽくはないにしろ、ジェフリー・アーチャーほど重厚でもないです。1800円x2冊分楽しんだと言えるかどうか・・・。 今ならまだ高く売れるだろうから、今日にでもブックオフに売りに行くつもり。いくらになるんだろう。 ・・・と、今日は辛口なわたしがいま楽しみにしてるのは、これだ。「安楽椅子探偵」。綾辻行人有栖川有栖ってのは、ちょっと文体にハナにつくところはあるけど、昔ながらの本格推理ものを書き続ける作家たちで、私もときどき読んでるので、面白そうです。ビデオ録って何度も見て推理しよう。