常盤文克「「知の経営」を深める」

日本人の書いたビジネス書って読んだことありません。どーも、プレジデントとかエコノミストとかに書いてる、なんとかの兵法がどうだとか、私の経営、みたいなのって読む気がしなくて。あんたがどう成功したかはわかったよ、でもそのまま真似しても絶対同じ結果は出ないし、みたいな感じ。

でも、生意気ばっかり言ってないで読んでみることにしました。この筆者は花王に新卒入社して、会長まで上り詰め、現在は特別顧問というすごいお方です。

内容は、いきなり経営論・・・ではなく、哲学?人間を含む自然のすべてには神が宿っている、人は自然に感動する気持ちを常に持ち、自然の摂理からビジネスを謙虚に学ぶべし、という感じのことを書いてあります。これだけ成功した人が言うので説得力がありますが、読む人の好き嫌いはあるでしょうね。

ほとんど全編そういう話で、ビジネスに関しては、わずか5%くらいのページを割いて「いま手がけている仕事が成功するか否かは、それが企業を取り巻く市場の環境に合っているかどうかによって決まる。」・・・等々、当たり前のことだけど一応書いておくよ、みたいな感じに、ものっすごく簡潔にズバっと書いてあって説明もフォローもない、というのがおもしろいです。

個人的には、共感するところが多いな。感動したというより、感覚とか考え方が似てる人だと思う。わたしも行き詰ると井の頭公園で一番大きな木に触りに行ったりするし・・・ でも多分共感するよりも、目からウロコが落ちるような本を読んだほうが脳が活性化するだろうから、もっと別の人の本も読んでみよう。

ちなみに、今日図書館で借りて、喫茶店でほぼ読破しました。軽いとは思わない、いい内容だと思うけど、論文ではなくて平易な文章なので、さらさら読めました。