梅田望夫「ウェブ進化論」

元ボスに薦められて読んでみた。

感想:この作者自身はウォッチャーとかユーザーという印象で、この本は論文でも報告書でも技術の本でもないけど、Googleのことやその他のインターネット上の新興勢力のことをとてもよく知っている。シリコンバレー在住のブロガーとしての貴重な経験や知識をざっとまとめて、シェアしてくれてありがとう、私もこういうことが知りたかったんですよ。

本当に、私はGoogleって会社のことを全然知らなかった。やつらイカレてます。Mad scientistsって感じ。(ほめてるんですよ。すごく)

こまかいところは、突っ込みどころ満載なんだけど・・・。

Googleの30万台ある社内サーバーは全部Linuxなんだって。モチオは「彼等は配布しないのでライセンス違反の問題は生じず、Googleオープンソースの恩恵をフルに利用できるのだ」という。その指摘は正しいと思う。でも、LinuxがなければBSDでもよかっただろうし、Googleほどのエンジニア集団なら、無料のUNIXがなければ自分たちでGoonixくらい作れるんじゃないかね。これだけ利益があがってるのに、ライセンス料が問題でWindows Serverを入れられないということはないだろうし。問題は、Googleには自分たちに本当に最適なOSを選んで好きなように使いこなせる技術力と知恵があるってところだ。・・・とかね。でも、考え方や全体の構成がすごく立派でヒントに満ちているのに、例の引き方や比喩が下手で損してる本ってけっこうあるので、あまり気にしないことにする。

もうひとつ驚いたのは、考えてみれば当たり前なんだけど、モチオが言うには、USでは、大学で行っている最先端のコンピュータサイエンスを現実世界で生かしきれていないんだって。私は日本の大学の話しか聞いたことがなくて、誰に聞いても現実の世界より遅れているとかずれていると言うんだ。だから、象牙の塔とかっていうところは、よく知らないけどどっちかというとダメなんだと思ってた。モチオ正しいとすれば、そっちが真っ当だ。日本の大学について私に語った人たちが正しかったとすれば、そっちが問題なのだ。日本の大学に対する認識は、まちがっててほしいと思うよ。

きのう、楽天Booksで1万円分も本を買いました。ひきつづきどんどん読んで感想を書いていきます。