ジョン・バッテル「ザ・サーチ - グーグルが世界を変えた」

さて。今日読み終わった本はジョン・バッテル著「ザ・サーチ - グーグルが世界を変えた」。

430ページくらいの本なので、1ページ1分だと7時間ちょっとで読み終わる計算。金曜夜に読み始めて、土曜に3時間くらい、日曜に4時間くらい、今日は2時間くらい読んだので、2割り増しくらいでしょうか。

感想。てか後のための覚書。(いちおう教科書なんで)

http://www.google.com/corporate/execs.htmlを見て、登場人物の表情を思い浮かべながら読むとよろし。

ウェブ進化論」と比べると、本らしい本です。きちんと系統立ててGoogleの歴史や検索の歴史をしっかり書いてあります。Googleや検索のことがとてもよくわかりました。アドワードとアドセンスの違いも。

ウェブ進化論は、この本と比べると、書くのに要した労力が多分だいぶ少ないと思うけど、シリコンバレーの街角の空気感がすごくある本です。ああいうのも必要。

さて、印象に残ったフレーズ。

p19「要するに検索はHALを創ることになるかもしれない」HAL、つまり2001年宇宙の旅に出てくる、すべてを支配するコンピュータ。世界政府システムを作ろうと本気で思ってる会社にはふさわしい比喩でしょう。

でも最初からそんな壮大な夢をもってたんじゃなくて、博士課程で論文の引用状況を調べるためにツールを作ったのが始まりだそうな。検索エンジンができたとき、サーチ会社にエンジンを売って回ったけど売れなかった・・・あれ、デジャヴュ?AT&Tの創立話と同じだねぇ。セレンディピティっていうのでしょうか。

p200 ノベルのCEOエリック・シュミットGoogleに招かれたときのインタビューでは、27歳の若造が前に座っている部屋で、いきなりお抱えシェフが食事を運んできて、それからその2人に自分の仕事を2時間徹底的に罵倒されて、何が何だかわからずに帰ってきたのだそうな。でもその後2人の言ってたことが正しいとわかって、転職を決めたとさ。罵倒して相手の出方を見るという面接方法。短い時間でその人の本性を見るには必要なのかもしれないけど。Google創立者2人は、やばいくらいMad scientist養成ギプスにはまった感じの人生展開で、この先ちょっと心配です。

p222 誰かがジョークで書いた「Googlebot」の絵を社内で勝手にTシャツにしてみんなで着てたらしい。確かにこの会社にはコンプライアンスというものが欠けてる。なんていうか・・・あれだ。www.bugbash.net このマンガに出てくるコドモじみたデベロッパーに似てる。わたしこういう人たち嫌いじゃないんだけど、自分の会社のトップだとちょっとなぁ。

後半、話題は「世界政府、いやそれより怖い、データをすべて牛耳るつもりの民間機関」の話を深めて行きます。確かに、安い値段で自分のデータを全部あずかってindexつけてくれる会社があって、そこが信用に足るのであれば、便利だろうなあ。契約しちゃうかも。(片付け下手なんで)すごい、いよいよHALだよ。かっこいー。と思うと同時に、データが何重にも多重化されててUSのある都市のデータセンターが火事になってもインドが無事なら大丈夫・・・とか言われると、自分がテロリストだったら世界中のデータセンターを一斉攻撃してみたい、とか思ったりもする。だってなんかもうマトリックスみたいなんだもん。

p382 ユーザーの履歴を記憶する、Amazonが使ってるサーチエンジンa9.com・・・チェック。

p387 セマンティックウェブとは、Web上の情報にタグやインデックスをつけて一元管理できるようにするアイデアxmlを推進してる人と方向性は似てるんだろうか。

p394 IBMのウェブファウンテンとは、従来人間が行っていたマーケティング情報収集をツールにさせて、ウェブ上でトレンドを発見するもの。ほかに、自然言語検索もすごいお金をかけてやってるらしい。

p411 偏在性という言葉が出てくるけど、これは英語だとubiquitousだよね?日本のお役所は猫も杓子もユビキタス言ってるけど、この本読んでだいたいわかるくらいの人はいったいどれくらいいるんだろう。

メモは、以上。

この本の読書時間9時間のうち5割はお風呂の中です、、完全防水PCってあまり見たことないので、こういうときは紙媒体もありがたい。最悪でも風呂に浸かってビラビラになって買いなおすだけ。たとえPDAでも電子ブックビューアーでも数千円では買えないもんね・・・。