林恵子「できる女はやわらかい - ラッキーサクセスの仕事術」

この人すごい!カッコイイ!

あまりに砕けた文章だし、編集者はなにをしてるんだろうと思うくらい、細かい誤字も多いんだけど、著者のポジティブなパワーにやられました。

どれくらい砕けてるかというと、友達に送るメールみたいなの。(笑)とか(喜)とかいっぱい出てくる。でも、というか、やはり、というか、言っていることはすべて彼女自身の経験と努力に基づいているんだけど、まったく経営学の王道を行ってるんですよ。会社ってものをどう動かせば成功するかという、みんなが血眼になって努力してもたどりつけないゴールを、やすやすと示してる。カッコイイです。私こういう人大好きです。

ご紹介が遅れましたが、通販のランズエンド日本支社の社長さんです。私の大学の先輩でもあります。何を隠そう、私の最近の「社長っぽく見えるようになってみたい」という志向はこの人を大学のイベントで見たことがきっかけです。あのときお話とか名刺交換とかしなかったことを、今になって後悔。

「お客様を喜ばせて、また買ってもらいたい」というのは、美しくもあるけど、マーケティングの王道中の王道。本当に大きなものを掴みたければちゃくちゃくとやっていくべきことだけど、なかなかできないのよね。

印象に残ったところ:

p42 自分の天井(能力の限界)は自分で決める。できるかも、と思えばできる。というのは、共感できます(実現するのは難しいけど)。シンガポールに行ったときに、英語・北京語・広東語のほかにインドやインドネシアなどもう1言語ができる人がいくらでもいると聞いて、ああ、そうか、日本語のほかにもう1言語くらいやればできるよな、と思って、それから英語の勉強が気楽になった。

p55 残業してたくさん仕事をしていたら外国人の上司に「Be more efficient!」と叱られた。・・・これも社内でよく見る光景です。これを上が言ってくれればいいんだけど、上がまだ残業中毒だと、逆効果です。賢くならなくては。

p86 ユニクロの1900円のフリースを、タグを外して持っていって、日本の消費者が求める品質と価格を見せ付けた・・・。この人のすごさはこの辺ですね。自分が100%正しいと思っても、「上司がわかってくれない」と嘆くのが、私を含めた日本の労働者一般の感覚だと思います。偉くなる人は自分を外から(客観的に)見られるようです。不満をもっている自分を上司が見たら、ああ不満げだと思うだけで、何度でも何度でも元気に新しい提案を持ってこられれば、最低でも元気だなーとは思ってもらえるわけ。これがとても難しい。本心は怒ってるのに顔だけ笑ってみせるくらいしかできないこともあります。気の持ちようと、自分を外から見ること。これができればおのずと道は開けるのだなぁ、と思う。

p100 「ブランドとなるにはコアのファンを作れ」

一般大衆全員に売れるものを作ろうと思っても失敗する。誰か特定の人、まずは自社製品を買ってくれたお客様が、最後まで満足してもらえるようにする。というのもまさに当然なことです。

目標になる人がまた一人できました。私はシャチョーより裏方がいいけど、こんな人と一緒に仕事ができるようになるといいなぁ。