加藤智明・中谷有紀「CGMマーケティング」61

MYCOM新書で200ページ足らず、長風呂の間に読んでしまえる長さだけど、これはこの本の場合いいことだと思う。Consumer Generated Media、バズマーケティング、とか呼ばれる、SNSとかブログとかYouTubeとかkakaku.comとかを利用した消費者間で効果を生じさせるマーケティングについて、教科書的にきちんとまとめて解説した本です。筆者の考えに偏らず、猫も杓子もバズをあげろと誘導するのでもなく、「CGMってなぁに?」ということを知りたい企業人に向けて、現状把握ができるように書かれた、正直でまともな本です。

以下例によってメモ。

P18。なんと幕末の「尊王攘夷」とCGMとを比較してる。最初に「思想家」が登場し、次に「戦略家」が登場し、仕上げに「技術者」が登場する、と司馬遼太郎は幕末維新を説明したのですって。今の状況ではAmazonGoogleが「黒船来航」、古い体制を守ろうとする企業に対して「開国と通商」を求めている、といいます。いや、ぴんとこないけど、面白いなと思って。

P50 「オタク」が一般から色眼鏡でみられる存在から、ネットで専門知識を公開して喜ばれる存在になりつつある、という。姿が見えないからいいのかもよ、、。いや、私はオタク好きだけど、見た目から入る人ってけっこう多いから。でも、実際は常識的に振舞い、専門知識を公開して人に喜ばれるようなオタクは、感じのいいふつうっぽい人が多いんじゃないかと思う。

P53 「顧客に薦めてもらうには、感動が必要。」ふむ。「Show me your wow」っていう、日本語に翻訳しにくいキャンペーンを張ってた会社があったが、まさかこういうマーケティングの本を読んでそのままコピーに使ったんじゃないだろうなぁ。

P74 CGMを形成する3つのキーワードとして、「アップロード」「シェア」「フラット」という語をあげてます。この「シェア」と関連して、シェアしたデータにはタグ付けが必要で、その作業自体も共同で行っていくという話が出てる。膨大な量のデータをただ保存してもしょうがなくて、このタグ付作業ってのが肝なんだよな。量より質が大切なので、当分はタグ付は人間がやっていくことになるんだろうか。

P127 口コミマーケティングの団体があるんだ!

WOMMA = Word Of Mouth Marketing Association

VBMA = Viral And Buzz Marketing Association

こんどサイト見てみよう。

P181~ コトラー先生は業界内の競合各社をリーダー・チャレンジャー・フォロワー・ニッチャーと分けたが、この人はこれをCGMに持ち込んで

コミュニケーション・リーダー

コンサバ・チャレンジャー

バイラル・ニッチャー

コミュニケーション・フォロワー

と4分類しています。ふむ。・・・もちょっと見てたらピンとくるかもしれないが。

感想としては、マーケティング理論とか業界の動向は、きちんと知っておくにこしたことはないけど、何と言っても相手は人だから、理論は上司とか外人とかの説得に使うくらいにしといて、あとはお客さんの目を見て満足してるかどうかチェックしながら地道に仕事をする、って感じでいこうかなと思います。

以上。