逢坂剛「裏切りの日日」114

2冊目、読了。

トリックの「How」を解こうと読み進みつつ、2つの事件のつながり「Why」も解かないと全体が解けません。

最近は昔と違って悪徳刑事ってのも普通に出てくるので、人質も刑事も含めて、誰が悪者かわかりませんね。

(最近といっても20世紀以降ずっと、という気もしますが)

たくさんニセの伏線が引いてあって、いかにも悪党な人より一見いい人そうな人が犯人では・・・と思わされるけど、結局のところやっぱり、悪そうな人が悪かったりして・・・(←これってネタバレに当たりますか?)

刑事ものだけど、これ以上泥臭いと私はNG。そういう意味で、私が読むジャンル内ではあります。

なお

文中に「民主党」という党派が出てくるんだけど、現在の民主党の成立はWikipediaによると1998年で、これが書かれた1981年にも、文庫版が発行された1986年にも、まだ存在しなかったので、おそらくこれは「毎朝新聞」のような架空の政党として使われた名前なんでしょうね。新人賞選考委員だった夏樹静子の小説に「逢坂剛」という登場人物が偶然使われていたのを気にして、コトワリを入れたという逸話が「解説」に書かれてます。この文庫本は第24刷(すごい人気!)が結党後の2005年に発行されてますが、実在することとなった民主党にも、作者はなにかコトワリを入れたのかなぁ。