浦沢直樹「20世紀少年」125

前にいちどネットカフェにこもって読んだんだけど、完結してから改めて読み直してみました。(滞在7時間)いつもながら、この人の作品はスケールが大きくて読みごたえがありますね。

しかし、タイトルが20th Century Boyでしょ、主人公の名前がズバリ遠藤ケンヂでしょ、スーダラダで世界征服を阻止って、なんというか壮大な酒の席のネタを本当にマンガにしちゃったの!?えぇ!?・・・とも思う。

カルト宗教なんて、10歳の子供の狭い世界をそのまま現実に持ち込んだようなものなのかもしれないけど、数百万人の信者の中から反乱分子が生まれたり、悪を暴くジャーナリストや弁護士が現れたりしないまま、USやEUから科学的合理的政治的な反対勢力のひとつも現れないまま、教祖の10歳の頃の10人未満の仲間を中心にして日本だけでなく世界征服まで実現してしまうってのは、ちょっと大ボラすぎないか?

Monsterがリアルに感じられたのは、舞台が外国だったからなのかな?あれは背筋がぞーーーっとしました。

音楽って同じ世代に同じようにラジオから流れる曲を聞いてても、そのエクスペリエンスはとてもパーソナルでエモーショナルなので、意外と同世代でも共有できないもんです。今日もT.Rexかけながら車をぶっぶーと走らせてきたけど、20th Century Boyと地球を救うってのがまったくつながらない。いくらウダツのあがらない中年ロッカーだとしても。

Wikiにかなり詳しく説明がありますが、「西日暮里の十字路でエロイムエッサイムズのギター・ダミアン吉田が、「悪魔くん」(ケンジ、相手のバンド名にちなんで名乗る)と遭遇し演奏を聴く。 」はロバート・ジョンソンとか映画クロス・ロードを引用すべし。チャック万丈目の出所はウルトラQの主人公だけでなくチャック・マンジョーネも記載すべし。これ書いてる人、若干若い世代なのかなぁ・・・。

続々編も書くつもりなのかなぁ?いつも、書けるくらいの伏線は残しておくけど、MonsterⅡも書いてないし、ないのかな。書こうとすれば、敷島教授の娘+名前不明のイケメン幹部(Monsterの主人公ヨハンに似てるー)が高須の子供を新しい「ともだち」に祭り上げるとか、(陳腐ですね、すみません)いくらでも書けそう。

ちなみに、続々編でも、新しい作品でも、きっとまたこもって読みます。またぞ~~っとするやつ書いてください。

以上。