貧困に苦しむ村の女性たちに、自分たちで身を立てるための原資として1ドル、数十セント、といった少額融資を行う「グラミン(村の)銀行」を設立してノーベル平和賞を受けた、ムハマド・ユヌス氏の受賞後初の著書です。
世の中を変えることをやり遂げた、すっごい人だと思っていて、そのグラミン銀行や彼の提唱する「ソーシャル・ビジネス」のことを詳しく知りたかったんだけど、内容としてはそういった事実の羅列ではなく、彼の考えを熱く熱く語るものです。エピローグとしてノーベル賞受賞演説全文が末尾に掲載されているので、それを読めば彼の言いたいことは集約されていて、本文はその解説といった感じです。したがってこの本を読んでも、なぜどうやって世の中を変えられたのか、というマジックはまったく見えてきません。
きっとみんな思うことだろうけど、グラミン銀行と同じものを日本に作ってもしょうがない。日本の問題は1ドルを借りられないことではなくて、ワーキング・プアーとか、食べられる最低限のお金はあるのに孤立してしまいがちな人間関係とか、そういったところにあるから・・・。
愛や夢や尊敬。自分は価値のある人間なんだ、とみんなが思えるようになれば、モンスターxxとかネットいじめとかが減るはずなんだけど。何も思いつかないけど、生きてるうちにいつかは、本当に人を助けられる仕事ができるようになりたいなぁ。
もちょっと、ソーシャル・ビジネスに関する本を探して読んでみよう。