内館牧子「週末婚」195

週末婚というのは、ちゃんと入籍して姑のお世話とかの「嫁としての務めも果たす」けど、平日は夫婦それぞれが別宅で暮らし、週末だけ同居する、という形態の婚姻なのだそうです。

<ネタバレ>

主人公は、結婚後不幸そうになった姉を見てこの「週末婚」を思いつき、その婚約者も「もしかして、これこそがマンネリ化を防ぐ理想的な形態!?」とその話に乗るのですが、夫のほうの父親が急死して母親が同居を求め始めたあたりからうまくいかなくなり、結局週末も別居するようになり、やがて離婚してしまいます。

著者は結婚という形態に疑問をもち、一つのオプションとして「週末婚」を考えてみたが、それが究極の答だという結論には至らなかったようです。つまり一つの実験的小説。これが発表された頃はかなり話題になったらしいです。

佐藤正午もいつも結婚に疑問を呈してましたね。私の立場は・・・よくわかりません。大変だけど、それなりに家族がいるってのはいいものなんじゃないかなぁ・・・・。男と女じゃなく父と母になってしまう、というのも、私はそれほど抵抗は感じないけど、それは私には母になった経験がないからかもしれません。

主人公が実姉に前の婚約者との結婚を引き裂かれる、というエピソードが、メインストーリーといっていいほどしっかり書かれていますが、週末婚を決意させる上で必要なのかどうか、よくわかりません。まぁ典型的な”みにくい女どうしの嫉妬”ストーリーで、私はいつも一貫してこういうものに冷たいコメントを書いてますが、ほんとは自分の中のそういう部分を認めたくないだけなのかもしれません。うー、イヤだなぁ。

以上。