佐藤正午「アンダーリポート」200

記念すべき200冊目にたまたま当たったのは、佐藤正午の2007年の作品。

今回もミステリとも呼べるストーリー、そして今回も、結婚に失敗した気の利かない男が、取りつかれたように過去のある時点に自分が遭遇した事件の謎解きにはまる。そのカギを握るのは、今回も女性。女ってのはそんなに神秘的な感じがするもんなんだろうか。

「ジャンプ」のようなどんでん返しをまたちょっと期待して読んでしまったけど、そんなのはまったくなくて、きわめてリニアな展開です。ただしメビウスの輪のように最終章と冒頭がつながっていて元に戻る。

静かな小説です。ジャンプやYの頃より、前に戻った気がするくらい。主人公が驚く場面がないからかな。主人公の年齢が徐々に上がってきてるからかな。

これが最新の長編かと思ったら、なんと2009年にもう一冊出ている。最近寡作じゃないらしい。そっちも図書館にあるかどうか探しておこう。

以上。