マーティン・バーグ監督「バトル・オブ・シリコンバレー」312

1999年作品だそうです。

Apple2~Lisa~Macintoshあたりのアップルの歴史と、PC-DOS~Windows3.0あたりのマイクロソフトの歴史を、ジョブス&ウォズニアック、ゲイツ&バルマーを中心に描いたドラマ。Facebookをテーマにした「ソーシャル・ネットワーキング」と比較して感想を書いてる人がたくさんいますが、映画としての出来は比較にならない・・・こっちはテレビのクイズ番組のスキットのようなものです。なんかちょっと品がない。

ただ、学生によるスタートアップを、仕事の中身より起業家の人間関係に注目して描いた映画という点は同じです。こういう映画って日本ではあんまり想像できないですよね!?ホリエモンと三木谷氏の友情や恋愛の映画なんてあまり見たくないような。・・・それ以前に、本田宗一郎松下幸之助の恋や友情の映画もあまり考えられないですよね。知りたいのは、「仕事上どうやって成功したか」のほうで、なんとなく、恋や友情で青春を謳歌するやつは仕事には身が入らないようなイメージってありませんか?・・・実際は恋も友情も出世も謳歌してる人は大勢いるはずですが。

Windows vs Macの初期の話を身近に感じたい非ITの世界の人にだけ、まあ見てもいいんじゃないと言える、そんな作品でした。

原題は「Pirates of Silicon Valley」。パイレーツオブカリビアンの洒落でしょう。「海賊版」って言葉があるくらいで、Pirateという言葉はソフトウェアを違法コピーする人のことも指します。この映画ではゼロックスパーク研究所で初めて開発されたグラフィック・ユーザー・インターフェースを持つパソコンOSを、結局ビルゲイツもスティージョブズも真似したんだろ、という意味かなと思います。その後違法コピーを大いに取り締まって訴えたりしていた彼らを海賊と呼ぶのは、たいそうな皮肉ですが。

以上。