米沢慧「『幸せに死ぬ』ということ」276冊目

“その手の本”2冊目。1998年発行。

この本の著者は医療や介護の従事者ではなく、ジャーナリストです。そのため、社会現象としてホスピスの出現とかターミナルケアをとらえて、分析しようとしているようです。

医療における自己決定ということが、宗教上の理由で輸血を拒否した事件以降注目されるようになったり。1980年代まで日本では病院で医療の限りをつくして延命ひとすじにやってきた医療が、1990年の「病院で死ぬということ」(山崎章郎、1990年)や「患者よ、がんと闘うな」(近藤誠、1996年)で見直され、どう死ぬかということが注目されるようになったり。・・・そういうことを経て、日本でもホスピスや在宅での緩和ケアが一般的になってきたのだそうです。

すでに1冊読んだので、さらさらと読み進めて、1冊目に追加する新しい情報はそれほど多くはありませんが、緩和ケアに従事する医師との往復書簡や患者の手記等、生の文章が挿入されていたのは新鮮でした。

勢いであと2冊関連本を買っちゃったので、続けて読みます。