平野啓一郎「ドーン」294冊目

NHKの「Switchインタビュー」に出てたので、読んでみました。

ほんとは一番新しい小説が読みたかったんだけど、大きな本屋でもこれしか置いてなかった。店内の端末で検索したら「在庫がないので電子書籍をどうぞ」。すぐ読みたかったのでこの本を買ったけど、電子書籍も真剣に考えてしまった。

この本の感想。

すこし近未来のことを、とてもきちんと想像して、今まだないガジェットや火星旅行を、単体でなくシステムで想定して書かれています。そこに済む人々の苦悩にもリアリティがあります。というか、執念のように、ぶつけるように、ほとんどの登場人物が何ページも費やして魂の叫びを語ります。

これはSFではなくて未来の(近代の)人々の苦しみを描いた、哲学のような小説なのでした。

面白かったけど、もちょっと単純に楽しめるほうがいいです。単に楽しいとか、単に難しいとか。SFで哲学的でアレでソレで、というのはちょっと忙しい。