カレー沢薫「負ける技術」302冊目

モーニングに最初に載った日から私の度肝を抜いた、「クレムリン」の作者、カレー沢薫のコラム集。毒舌というか皮肉というか、類いまれな感性がすばらしいけど自虐癖がはなはだしくて、ここまで来るとちょっと違和感もあります。

たとえば、本人も書いてるけど「結婚して家も建てたのに、高校生同士のカップルを見ると許せない」。彼女(著者は女性です)が真っ赤な嫉妬の炎を燃やす相手は、まさにその結婚/一戸建ての家を夢見ていまフラフラと恋愛しているひとたちで、かつ、高校生ではゴールできずに別れる率のほうがおそらく高いのに。自分がウツウツとしていたときにキラキラしていたことが許せないらしい。正直だなと思うけど、逆恨みもいいとこだ。人はどうして今ある幸せをちゃんと味わえないんでしょうね〜。コドモ生んだら変わるかな?

私はこの人が今後ハッピーハッピーな人になって、書くものが全然つまらなくてもかまわないので、どんどん幸せになってください。はい。