一斉を風靡した「コンセント」に続いて書かれた、三部作の二作目。
すごい小説でした。
エロ、グロ、と呼ぶ人もいるかもしれない。でもこの人のエロスは人と人とのコミュニケーションであって、心じゃなくて人間の体のパーツを愛でるフェチの対極にある。
この小説のテーマは「家族の再生」だし。
この作家がもし男性だったら、エロではなくて血で血を洗うような殺戮を描いたかも?
私も女なので、暴力はないとしても、心を裸にして家族の再生に立ち向かえるか。
立ち向かわないと越えられないものがある、と認識することと、どんな家族になりたかったかをちゃんとイメージしてみることが、多分大切なんだ。みんなが生きてるときにそこまで考えられて、そういう話ができたらよかったんだけどね。でもこれからでも遅くない気がします。