大江健三郎「日常生活の冒険」386冊目

大江健三郎、はじめて読んだ。なんか恥ずかしい。何十年も前にノーベル文学賞をとってるのに、私はそこそこ本を読むほうなのに、今まで読まなかったとは。

でこの本ですが、読みやすいのになかなか読み進めず、延長に延長を重ねて5週間もかけて読んでしまいました。面白いのにちっとも好きになれない。登場人物の誰にも共感や愛着を感じられないままでした。「なんでこうなんだろう」「どうしてそう思っちゃうんだろう」という調子。

みんな、なにかを欲していて、その感覚を共有する仲間は見つけられるのに、誰も彼らが欲しているものをそれを与えることはできない。与えられたような気分になれる人もいない。みんな、いくら食べても満腹にならないみたいだ。
誰も自分がなにを欲しているかなんてわからないし、それを与えられることもない、というのは理論的には正しいけど、なにか生物としては不自然だ、天から降ってくるものに満足しようとせずに理屈ばかり言い続けるのは。
とまだ私はこのていどの理解で、大江健三郎の理解レベル0.1%くらいでしょうか・・・。