辻村深月「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ」406冊目

読み進むにつれて、だいたい筋はわかってるつもりになってたのに、「最後の最後にやってくる感動」というのは本当だった。この涙は、この先自分と自分の母親の間に、新しい道筋をつけるのかもしれない。一時的なものかもしれないけど。

答のないものだから、「問題を解決できた」人なんてほとんどいないと思う。一人残らず母と娘はこんな気持ちの葛藤を死ぬまで持ちつづける。お葬式で女たちは、お給仕をしながらよく笑うけど、女たちの悲しみはずっと深くてずっと残る。私たちの愛情はそんなふうだから。

まだ若いのにすごい作家だなぁ。