全くのフィクションなんですね。朝ドラみたいなものかな。
バーナード・リーチ、濱田庄司、柳宗悦、富本憲吉、高村光太郎・・・など実在の人物の中に、亀ちゃん、その息子、といったこの物語の中だけの人物が登場して、狂言回しのように彼らの努力を支えます。実に面白いです。素晴らしい彼らの陶芸の世界、そこに到るまでの若かりし頃の切磋琢磨、いい人しか出てこない美しく清らかな世界です。
実際にはもーちょっと周囲に計算高い人がいたり、妬み深い人がいたりしたかもしれないけど、とても熱く幸せな気持ちになれる小説でした。
この夏、初めて訪れてみた小鹿田と小石原の優しく静かな風景を、懐かしく思い出しつつ。
万人にお勧めしたい、良い小説です。