ビル・クリントン&ジェイムズ・パターソン「大統領失踪 上・下」527-528冊目

センセーショナルなタイトルですよね。みんながよく知ってるビル・クリントン元大統領が「書いた」小説ってことで。

実際読んでみたら、すごく読みやすく楽しめる、大衆サスペンス小説という感じで、これは明らかにジェイムズ・パターソンというベストセラー作家(日本ではそんなに知られてないと思う)の文章に違いない。元大統領はおそらく、自分が大統領経験を通じて(自分が今失踪したら・・・)(もし腹心に裏切られることがあったら・・・)など思っていたことをアイデアとして出したのでしょう。迫真のリアリティはそれによるものだと思います。

という鉄壁のコンビが書いた本なのでとても面白かったのですが、そこここに、クリントン氏の思いもこめられていると感じます。小説内の大統領は彼と違って元軍人で、戦地ではヘリコプターから墜落したあとに拷問を生き抜いたというタフな経験があったり、判断に迷うことがなかったり、しめくくりには熱い演説を行って支持率が30%から80%にアップしたりします。こんな大統領がいたらいい、と思うのは著者たちだけじゃないでしょうけどね。

同じサイバー攻撃を日本で受けたら、たぶん正しいエキスパートを集めるのも対処するのも、難しいんじゃないかな・・・。すごいエンジニアは結構いると思うけど、日本は多国籍の人たちと普通のように本気でコラボすることに慣れてなさすぎる。あと二世代くらい経てみたら、できるようになるかな・・・。