最近少しずつ勉強している量子コンピュータの本。現在開発されている量子コンピュータのハードウェアには、汎用型の「量子ゲート方式」と、実用化されているけど”巡回セールスマン問題”を解くだけの単一マシンである「量子アニーリング方式」があります。この本では「そもそも量子コンピュータとは」にプラスして、量子ゲート方式のハードウェアの4種類について解説しています。
その4方式とは、量子アニーリングマシンでも採用している超電導を使ったもの、イオン方式、半導体方式、光方式。著者が開発を続けているのは最後の光方式だそうです。原子レベルのものを扱うわけなので、厳密な環境管理が必要だし、そこでさらに厳密な計算を行いエラーを減らしていくというのは、現在の人知を超えるほどの作業が必要です。心が折れそうになることもあるだろうなぁ。こういう全く今存在しないものの研究開発って、人材と資金が豊富なところでしかなかなか成功しないと思うけど、現在のコンピュータとは違って少しでも日本の技術が一端を担えるといいですね。