エリザベス・キューブラー・ロス「死ぬ瞬間~死とその過程について」586冊目

これが最初の、いちばん有名な世界的ベストセラーになった本。1969年の抄訳本ではなくその後完訳されたものです。

後で書かれた本と比べて圧倒的に医学書の色合いが強いです。キューブラー・ロスはまだ100%精神科の医師であってカウンセラーとかセラピスト、ましてや思想家のような様子はまったくありません。

欧米のちょっと昔の本には必ずホロコーストという恐ろしい出来事の話が出てくるし、この本は末期患者やその家族の生の声がたくさん収録されているので、気楽に読める部分など1ページもありません。

死の受容までの5段階について、おそらく一番詳しく書かれた本でもあります。名著だけど、5段階については先に答えを見てしまったような感じで、ほかの本で言及されるのをかなり見ているので、重いけれど私が一番読みたかった本ってわけじゃないなぁという印象もありました。