堤洋樹 編著「公共施設のしまいかた まちづくりのための自治体資産戦略」592冊目

諸般の事情で読むことになった本。

これは建築というより都市計画、それも公共施設を中心とした都市づくりについて書かれた本です。それってどんな都市計画よりも、どんな建設プロジェクトよりも大変で、最も大勢のステイクホルダーが関わる困難なプロジェクトだろうなと思います。行政の専門家、事務を行う人たち、一般市民、民間企業その他、建築や都市計画に関する知識レベルが0から100までの振れ幅があるでしょう。だからこの本も、専門知識のない人が読んでもわかるように懇切丁寧に書かれています。

しかも、本の後半に書かれている事例の中には、市民を巻き込むブレストに成功したのにもかかわらず、再建築プロジェクト自体はその後実践されたなかった例もあります。

私なんかは、一人の気持ちを気にしながら利害関係が対立している他の人の気持ちまでケアすることなんて無理…と思ってしまうほうなので、私がこのプロジェクトのリーダーじゃなくてよかったと心底思い、かつ、こういう仕事に携わっている人たちを尊敬してしまうのでした…。