続いて読んだのがこれ。映画を見たつもりだったけど見てませんでした。漫画は漫画家の理想をそのまま 絵にできるので、現実離れした他人の空似や、キャラクターを完璧に画像化することもできるけど、映画には役者自身や役者どうし、その場のマジックがあるから原作以上のものができたと感じることもあります。どっちも気になるので、映画もレンタル予定。
「11人いる!」シリーズのフロルのような、天衣無縫、自由奔放な少年or少女を萩尾望都は愛してるんだろうな。コクトーもそうかもしれないけど。洋画には世の中のルールに縛られない、またはルールを知らないそういった若い人たちが華やかに登場するものがけっこうあります。ただこの作品では、エリザベートとポールという姉弟が二人ともそれなので、はたから見ると危なっかしい。彼らを支える良識的な友人ジェラールや医師、奔放さや美しさに魅せられて結婚して遺産を残したミカエル。(大天使の名前?)彼らはまるで世界から祝福されてるみたいに、いつも誰かに守られて生き延びています。
身近にいたらイライラして絶対キレてしまうと思うけど、彼らは確かに美しい。問答無用の力で惹きつける。私はけっこうもう長いこと生きてきたけど、こういう天使のような悪魔のような人たちとどう付き合っていったらいいか、いやそれ以前にどう接したらいいのかも、わからないままです。(1979年に書かれた作品。2005年11月1日発行 476円)