能町みね子「結婚の奴」700冊目

いやー面白かった。かなり赤裸々に(文筆のプロなのでいろんな脚色もあるのでしょうが)書いてあるものを面白がるなんて失礼かなとも思いましたが、物見遊山なだけじゃなくてすごく興味深くて引き込まれて、あっという間に読み終わりました。

結婚ね…。一回したことがありましたが、生活とか結婚に求めるものが一致しないと続かないですね。ほんとに、穏やかに優しく暮らせる「家族」が本当は欲しいんですよ、みんな。でも男女間の恋愛がからむと、永遠に同じだけ愛し合うのってたぶん天文学的確率の低さだし、子どももからむと泥沼でみんな不幸、となりかねません。

自分自身、中くらいに潔癖なところと中くらいにいい加減なところがある(そういう人多いと思うけど)ので、中くらい度合いがかみ合って、かつ寛容な人としか暮らせないだろうなと思う。子どもをもう持たないと思った時点で、一人でどう生きるかだけを考えるようになります。

「勝手に早期退職」をしたときは、定年まで働く人と比べて自分はがんばりきれなかった、心が強くなかった(腰も悪いし)って負けたような気もしてたけど、やっとこの先やることも決められたと考えると、少し早めにスタートが切れてよかったと、やっと思えるようになってきたし。(その決意をぼかして書いてるので、なんのことかわからないと思いますが)

フルタイムの仕事をやめてもう1年半。ずいぶん怠けたわ…幼稚園に入って以来、これほど何のタスクもなく休んだのは初めてですよ。でも会社勤めの人は60年くらいこれ続けるわけだよね。みんなもっとバリエーションがあってもいいはず。

自分に正直に、自由に、一生懸命生きて、側にいてくれる人に感謝して助け合う。その選択肢を私ももう選んじゃったんだな。この先どんな人に出会って助け合うか、誰かと同居するかどうかと関係なく、大切にしていこうと思いました。