確か高野秀行氏が勧めてたので予約した本。
生死を分ける場面で、姿のない「サードマン」が現れて自分に指示をしてくれたおかげで命拾いをした、などなどの話を集めたものです。合理性の国アメリカっぽくない気がする、あるいみオカルト的、日本でなければアイスランドとかにありそうな逸話が並びます。でも面白い。私もぜひ、なにか困ったときにはサードマンさんに現れてほしい。
サードマンに指示まで受ける人は少ないようで、たいがいのサードマンたちは「ただ寄り添う」。子どもの「空想の友達」と同じものだと考える人もいる。肉体が極限まで追い詰められた時に(海を漂流して体重を何十キロも落とした人もいる)脳で生まれる幻覚だとも。
そもそも、魂って何だろう?っていうことはまるで解明されてない一方で「生まれ変わり」を信じる宗教が世界中で広く信じられている状況で、死によって体から離れた魂がどうやって天国に行ったり別の肉体に入ったりするのかもわかっていないわけなので、「それは亡くなった人の魂である」っていう意見も取り上げてよかったんじゃないかという気がします。はっきりそう主張する科学者はいなかったのかな。(はっきり「魂ではないことを立証する」ことも、どんな科学者にもできてないわけで)
それにしても、一晩で体重が半分になるような強烈な経験をしても、また山に出かけて命を落とす人がいる。スリルって麻薬なんだろうか。私にはそんな危険なところまでたどり着く体力がないから大丈夫…なんて安心したりしないで、低い山でも遭難するらしいので、山へ行くときは気をつけよう…。