アントン・チェーホフ「かもめ・ワーニャ伯父さん」728冊目

映画「ドライブ・マイ・カー」は村上春樹の短編がベースだけど、映画オリジナルのお芝居の練習場面もあって、演じられているのがこの「ワーニャ伯父さん」です。映像化されたもののソフトが見つからなかったので、戯曲を読んでみました。

最後に、”不器量だけど優しい”という設定のソーニャが、同じ貧しい生活を耐え忍ぶ伯父のワーニャに優しく語り掛ける場面が前述の映画で使われてるのですが、確かに印象的な場面です。がんばってもお金持ちにも幸せにもなれなかったけど、このまま頑張り続けて死ねば、神様がよくがんばったって言ってくださるわ。というようなことを言うのですが、本当にそういうしかないんですよね。そうやってなぐさめあうしか。映画館では、この場面で若くない男性たちが一斉に鼻をすすっていたっけ。男の人って大変なのね…。私は「そうそう、ほんとそうだよね」と勢いよく相槌を打ったりしてました。ほかの女性たちはどう反応したんだろう。

「かもめ」も短いながら印象的な戯曲でした。こちらは、純真な美少女ニーナが世間にもまれて強くしぶとくなるのが頼もしい。

やっと映画を見終わったような気分です…。