森博嗣って比較的新しい作家さんだと思ってた(「すべてがFになる」を読んだのを覚えてる)けど、この2作目が書かれたのは1996年。だからまだ誰もケータイ持ってなくてUNIXでメールを使いこなせるのがサバイバルだったりします。データの運搬は今は亡きフロッピーディスク、すごい最新マシンのハードディスクは20GB。そして美少女の描写もなんとなく派手。
一方で、密室トリックは普遍的なものです。大学の中の低温実験棟で起こった大学院生の殺人事件の犯人は、建築部助教授+学生によってその施設独特のトリックやミスをあばかれていきます。
こういうのを本格ミステリーっていうのかな。技術中心で動機がすごく弱かったり、探偵たちが何の感情もなく血まみれの床を歩いたりしますが、そこを突っ込まず密室クイズを解くような感じで読みます。トリックの一部はわかったけど、犯人はわからなかったな。動機は…個人的には、論文剽窃で地位を脅かされる、とかなら説得力を感じられたかなと思いました。
この時代、まだカタカナ表記は「フォルダ」とか最後を伸ばさないのが標準だったので、昔のWindows本みたいで懐かしかったです。。。