河出書房新社が2017年に出した”おいしい文藝”シリーズの中の一冊。
ほかにも「ぷくぷく、お肉」「まるまる、フルーツ」等々10種類も出てるそうです。なんて楽しい企画。
古今東西31人の著名な作家の短いエッセイ集ですが、書下ろしは1つもなさそう。よく探したなぁ、よく集めたなぁ。
コーヒーのいいところは、疲れたときにも、カツを入れたいときにも、飲んでほっとする。夏ならアイスコーヒーの淹れ方をひとくさりしたり、コーヒーゼリーについて書いたりするものいい。最近は円錐型ペーパーフィルターが流行りだけど、昔ながらの喫茶店のサイフォンのコーヒーはやっぱり素敵だし、家で淹れるならパーコレーターも簡単だしエスプレッソも直火で淹れられる。そういう、電気を使わないコーヒーマシンの数々のことを最近すっかり忘れてたのを、思い出してなんだか温かい気持ちになる。
中学生の頃なぜか故郷にあった、鍋で淹れるトルココーヒーのお店で初めて飲んだコーヒーが、まったく苦くなくて、お砂糖を入れなくても甘味と酸味があって「これがコーヒーか」と驚いたのをずっと覚えてる。
去年からずっとコーヒー豆を網を使って自分で焙煎してるんだけど、なかなかうまくいかない。いつかエスプレッソ用の豆を自分で焙煎して、ちゃんと細かく挽いて家で淹れられるようになりたい。
この本の中で誰かが「一杯のコーヒーから♪」という歌のことにちょこっと触れてて、そういえば父か母が口ずさんでたことがあったと思いだした。YouTubeで探して聞いてみたら、1939年のヒット曲らしい。ロマンチックで優しい、素敵な歌でした。