6篇の中編ミステリーからなるアンソロジー。
海野碧「向こう岸の家」
実家に戻ってきた女性に、小さいころの記憶がよみがえってくる…。ひきこまれる設定だけど、「小さいころに亡くなった彼女の兄」という設定が伏線だと思い込んで引きずってしまった。
両角長彦「あいつのいそうな店」
新宿ゴールデン街は覗いてみたことくらいはあるけど、あんなディープな街の常連になるってものすごく大変そうだ。設定が楽しく、でも結末は私にはちょっとダークすぎたかな…。
石川渓月「弁慶は見ていた」
これは登場人物たちの年齢設定と、くだんの人物の年齢認識が必要なのか?と思ってしまった。
川中大樹「ファミリー、そこでヤマトだまし」
これは面白かった。どこか怪しいなーと思いながら読んでたけど、読後感もさわやか。本当にこんな議員さんがいればいいのに~
前川裕「僕の自慢の親友」
これはちょっと私には重いな。第一、身の回りの何をするにも不器用な青年がどうやってそんなにうまく立ち回れるんだろう(頭は非常にいい、ってことなんだろうけど)。