読んでるとちょっと気分が悪くなる、筒井康隆作品のあの感じ。パソコン通信(私も少しやってた)の内輪っぽさとオタクっぽさ。これでも新聞小説という一般向けメディアなので若干は抑え気味な、それらの「あの感じ」が懐かしいような思い出したくないような・・・いややっぱり懐かしいです。加減が難しい・・・いや、これより抑えたところで激しく反感を持つ人も攻撃する人もいるだろうから、そういう「度合」の問題じゃないですね。小説にもマンガや映画にも、露悪的な作品を作り続ける作家たちの流れってあるように思うのですが、こういう作品が発禁になったりせずにメジャーな媒体に乗り続ける世の中であってほしいです。受け止める一般大衆の一人として、極端で過激なジョークを笑い飛ばせる者でありたい、とも思います。
表現が過激(抑え気味とはいえ)なので、時空をひょこひょこ超えることの新しさが目立たないけど、やっぱり筒井康隆は元気だなぁ。「パプリカ」は2017年に映画を見て好きになったけど、原作が筒井ということを見落としてました。すみません。原作を読んでからもう一度映画のほうを見直してみよう。
好きか嫌いかというと、好きな作家と認識してるわけじゃないんだけど、1970~80年代に私がよく読んでたSF作家のひとりとして、荒唐無稽でも露悪的でもいいので、エネルギーほとばしる活動を続けていてほしいなぁ。