アン・サリバン「ヘレン・ケラーはどう教育されたか ‐ サリバン先生の記録 ‐」842冊目

1973年に出版された本。図書館の「保存書庫」から引っ張り出してきていただきました。

先日、たまたま1962年の映画「奇跡の人」を見てけっこう感動したんだけど、最初の言葉「water」で物と単語の結びつきを学んだ後、どうやってヘレン・ケラーは抽象的な思考を身につけられたのか、どうやってセブン・シスターズの女子大を卒業するまでに至ったのかが知りたくて、参考になりそうな本を探してみた次第。

この本、ものっすごく勉強になった。何といっても、ほぼ全編がサリバン先生自身の手記や手紙なので、その臨場感。

私は妹弟も子どももいないし、部下を持つことも教育にたずさわることもなく、人に何かを教えられる人たちは天才かも、と思って長年遠くから見ていたので、不可能を可能にするようなサリバンの真摯な努力の継続の前にはひれ伏すしかないです。と同時に、最近始めた日本語教育ボランティアやそのための勉強のなかで、単語をただ暗記させるより効果的な教え方について考え込むことが多くて、この古い本(書かれたのは1890年代)に書かれた教授法の斬新さやサリバンの粘り強さにも、もう一度ひれ伏してしまいます。

方法論は大事。それが基礎。でも、その上で、生涯をかけてひとつの仕事に取り組むっていう覚悟や努力があったからできたことなんだな。私は何か、誰かのためにここまでやってきたことなんてあっただろうか?今はフルタイムの仕事を辞めて、会議や社内文書や職場の人間関係から解放されて、嫌なことしなくていいのって何て楽でいいんだろう、と自由を謳歌してたけど、誰かにとって必要な仕事をやってるという充実感がないのは、会社員のときと同じだな。まだもうしばらく人生が続くんなら、次の目標はちゃんと誰かの役に立つこと、かな・・・。(だいぶガタがきた身体のメンテも同時に進めよう)