中野善壽「ぜんぶ、すてれば」869冊目

ずいぶん前に予約の列に入って、やっと手元に届いた。寺田倉庫がスゴイというのは聞いてたけど、カンブリア宮殿に出てたっけな、くらいで記憶が薄れかけてました。

最近は、上から目線で人生訓や長年の苦労を語る経営者が目立たなくなって、こんな風に「実際どんな感じで新規事業や改革をやってきたか」を同僚みたいにフラットに語ってくれる人が増えてきたと感じてる。私から見ても面白い人たち。

私自身は、自分の感覚を信じていくつかまあまあいい仕事もやってきたと思ってるけど、中野さんのように周囲の人に愛されることができずにいつも失脚してきたので、読んでていじけたくなる場面もありました。が、すがすがしさの方が強いし、こんな経営者、ビジネスマンでいられたらなぁ、とまぶしく見上げて憧れる。

何度も転職したし、社内でも異動が多かったけど、自分自身をしっかり振返れたのはフルタイムの仕事を辞めた3年ほど前からだ、と感じてます。「すき間」を保ったまま新卒から今までやってこられた中野さんの芯の強さに改めて驚きます。かなり年取ってしまったけど、私もこれからも自分のやりたいことをやろう。その精度を上げるために自分といつも向き合おう。と思いました。

中野さんの作った空気を味わって何か感じられるかどうか、明日にでも天王洲に出かけてみようかな・・・。