小林真樹「日本のインド・ネパール料理店」900冊目

ものすごく面白い本だった!

ご近所散歩から飛行機を乗り継いで行く地球の果てまで、あらゆる旅を続ける私としては、徒歩で行ける非日常である「その国で生まれ育った人がやってるレストラン」に行くこともまた、旅の楽しみのひとつ。同じ著者の「食べ歩くインド」は用語がさっぱり頭に入ってこなくて太刀打ちできなかったけど、この本の用語はなんとなくだいたいわかるし、知ってる店も出てくるし・・・それより何より、大河ドラマのようなネパール人・インド人のいくつもの一族たちの日本への大遠征、大胆不敵なレストラン展開の物語が、面白いのなんのって・・・。こんな面白いもの、地上波はムリでもNetflixとかAmazonプライムとかがお金を出してドラマ化すればいいのに。

なんか日本の人って私も含めて全員、「起業」って恐ろしく大変で怖いことだと思ってるけど、ネパールの人々は料理の腕を磨いたら全員自分の店を持つのが当然のように見える。日本人が店を持っても廃業することは多いけど、彼らは店を開くのはもちろん、畳んだりすることに何のためらいもないようだ。戦後の闇市の頃の日本みたいに。

ネパール食堂でカレー(正しくは「ダルバート」)食べるとやけに元気が出るのは、彼らのパワーを分けていただいてるからなんじゃないだろうか。

やっぱり、日本にいる外国の人たちは面白い。外国に行かなくても異文化交流はできる。うん。今週末もネパール食堂に行って来よう・・・。